「各自部屋割りを確認し、荷物を置き次第広場に集合。解散!」






運命を君と。
28.The Best Smile








やたら広い敷地内に佇む、ひたすら大きな建物。
これが跡部財閥の力かと頭の片隅に置きながら、
それぞれ部屋割りを確認し、個々の部屋に向かい別れた立海メンバー。

ルンルンと楽しそうに歩いている名前を囲むように、ブン太、赤也、仁王、柳生、ジャッカルが歩いていた。


「わーい!一人部屋だー!」
「それはもちろん、苗字さんは女性ですからね。」
「こいつは女性ってガラじゃねーだろぃ。」
「ちょ、ブン太くんや?
ずいぶん失礼なこと言ってくれちゃいますね!」

ぷんぷんっと意味のわからないことを言いながら、つついたりひっぱりと、地味にブン太に攻撃をしている名前。

もちろんスルーされている。



ちなみに部屋割りはこんな感じになっている。

[真田・柳]
[仁王・柳生・赤也]
[丸井・ジャッカル]
[名前]



「なんで俺達の部屋だけ三人部屋なんじゃ。
むさ苦しいぜよ。」
「俺、名前先輩の部屋がいいっす。」
「んなのダメに決まってんだろぃ。」
「ってかね、なんで私の部屋の隣が景吾の部屋なわけ?」
「跡部に聞けよ。」



そう。
名前の部屋の隣はブン太とジャッカルの部屋なのだが、
ブン太たちの反対隣の部屋が、何故か跡部の部屋になっていたのである。


もちろん、
張本人の仕業なのだが。




「俺様の隣にいられるなんて、嬉しいだろ?名前。」

「いえ、別に。」
「あーん?」

「すみませんでしたー。」



突然後ろから、自信過剰な発言と共に現れた跡部。

そのさらに後ろから、眠そうに目をこすっている金髪天使が現れた。



「あ、名前ちゃんだー。」
「キャー!ジロー!!!」

ぎゅぅぅぅっ

走ってジローにかけより抱きつく名前。


周りが一瞬にして不機嫌そうな顔をしたのは言うまでもない。



「クソクソ!ずりぃぞジロー!」
「あ、がっくーん!!!!」


はぐぅぅぅっ


感動の再会である。


三人でぎゅっぎゅといちゃついていると、ぞくぞくと氷帝軍団が現れた。



「先輩たち…相変わらずですね。」
「あー!若!
若も私の胸に飛び込んできていいのよ☆」
「な…っ!!」



可愛い後輩、日吉を発見した名前は顔をほころばせながら、日吉に向かって両手を広げた。
赤面する日吉。

ツンデレでウブなかわいい子である。


「んなら、遠慮なく…」
「変態はお断りします。」


どさくさに紛れて日吉との間に割り込んできた変態忍足


名前が一瞬にして不機嫌そうな顔をしたのは言うまでもない。




「そんな照れんでもええやんか。
俺と名前の仲やないか。」
「何が?」







忍足を押しのけ、名前の前に出る跡部。


「とにかくだ。
名前、寂しくなったらいつでも俺様の部屋に来ていいんだぜ?」

「絶対行かないですー。」
「フッ…照れんなよ。」
「照れてねーよ」



今まで何度やったのかわからないくらいのやりとりをし、スルーするように、名前は目の前の、自分に割り当てられた部屋のドアを開けた。



「…わあああああああああああああ!!!!!」


「「「!!?」」」




急に聞こえた名前の叫び声。





「どうした!!」




慌てて皆が追いかけるように部屋に入ると、大きな窓の前で固まっている名前がいた。


「…名前…?」


「す、すっごおおおおおい!!!!」


「「「は…?」」」




ばっと皆の方に振り返った名前は、満面の笑みを浮かべていた。

その笑顔に、皆が頬を赤らめたことに気づかずはしゃぐ名前。



「すっごいすっごい!
この部屋すっごい可愛い!
それにものすごく景色いいの!!
なにこれ!景吾すごい!好き!!
ありがとう!!」


名前の満面の笑顔と、さりげなく言われた"好き"という言葉に一瞬固まった跡部だったが、いつものように自信に満ちたような、しかし嬉しそうな顔をした。


「ハッ!名前のためなんだから、当然だろ?
いい加減、俺様の女になる気になったか?」

「すごいなーきれいだなー」

「おい聞いてんのか。」


発言を流されつつも、喜んでくれたこと、自分が好きな笑顔を見ることが出来て大満足な跡部。


そして名前の笑顔にときめいていた皆だったが、さりげなく跡部に"好き"と言ったことに対して、もやっとしたり嫉妬したり対抗心が芽生えたりと、色々な反応を示していた。







next.

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