幼馴染み、丸井ブン太との再会。
静まっていた教室も、次第にざわざわし始めた。
運命を君と。
3.Introduce oneself
「お前、なんで立海にいるんだ?」
「なんでって、転校してきたから?」
「来るなら先に言えよ!!」
「丸井、とりあえず席に着け。」
「………。」
担任に言われ納得いかないという顔をして渋々席についたブン太。
前の席の銀髪、仁王が興味深そうな顔をして振り返り、ブン太に話しかけた。
「あの転校生、丸井の知り合いか?」
「…まぁな。」
「ほう…」
「変なこと企んでんじゃねぇよ仁王。」
口許を少し上げ、何かを考えているような目で名前を見ている。
この様子だと、目の前のペテン師は名前に少し興味を持ったようだ。
気に入るのも時間の問題か…?
更になんとも言えない状況になったブン太は、ただ黙っていた。
「苗字は昔神奈川にいたそうだが、その後、東京、大阪へと転校し、また再び神奈川へ戻ってきたそうだ。
とにかく、仲良くするように。
様子を見てると丸井とは知り合いみたいだから、席は丸井の隣だ。
丸井、面倒見ろよ。以上。」
HRの終わりを告げるチャイムが鳴り、担任は教室を出て行った。
名前は鞄を提げて、自分の席であろう、ブン太の隣の席へと向かった。
HRが終わったにも関わらず、皆その場から動かずに名前のことを見ている。
とくにクラスの女子達は、ブン太との関係が気になるのだろう。
「よろしく、ブン太。」
「…あぁ。」
「怒ってる…?」
「お前、いつも突然すぎんだよ。」
「ごめんね。」
少し見せた微笑みに、ブン太は安心と愛しさを覚えた。
ブン太は名前の頭に手を伸ばし、ぽんぽんと叩くと、名前は更に笑顔になった。
そんな微笑ましい光景に、皆ひとつの思いを抱いていた。
「お前ら…どういう関係?」
クラス全員の言葉を代弁するかのように、ブン太の前の席の仁王が2人に話しかける。
「幼馴染みだよ。昔名前がこっちにいた時、こいつの家が俺の家の隣だったんだ。」
「ほう…幼なじみねぇ…俺は仁王雅治。
ブン太と同じ、テニス部レギュラーじゃ。よろしく。」
「よろしく。白髪さん。」
「これは銀髪じゃ。
俺のことは下の名前で呼びんしゃい。名前。」
「おうよ。シクヨロ☆」
ブン太の真似をしてポーズまでとって挨拶をした名前。
あまりの可愛さに、周りで見ていた何名かの男子達が赤い汁を鼻から出していたのを、見なかったことにしようと思った。
これから名前をその辺の男子からどう守ろうかと不安が募るブン太であった。
next.
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