…何故この人は、


「名前って言うんだ。可愛いね。」


普通に笑うと美人さんなのに、


どうしてこんなに…



「俺のモノにならない?(ニコッ)」




黒い笑顔をするのだろう。by名前






運命を君と。
7.Black SMILE







連れて来られた大きな病院。
中へ入って病室へ行くと、姿が見当たらなかったのか、屋上へと向かうことになった。
屋上にはベンチに座っている蒼い髪の少年がいた。


「幸村、またここにいたのか。」

真田が声をかけると、こちらを振り向き、部員を見て笑顔になった。

「やぁ真田、皆。」

幸村の元気そうな姿に皆安心をしているようだ。
名前は、綺麗な人だな、と彼を見ていた。

満面の笑顔でこっちへ向かってきた幸村が再び口を開いた。


「こんなとこで何してんの?
俺がいないからって手抜いてる?
くすっ…いい度胸だね。真田?



「む…っ」


冷や汗ダラダラな真田。
他の部員達も冷や汗ものである。
突然の変わりように名前は思考停止してしまった。


「…精市、あらかじめ連絡しているはずだが。」

「うん、知ってる。ほんの冗談だよ。」


冗談に聞こえません。

ここにいる全員が心の中でそう突っ込んだ。


「はっ!!」

思考停止していた名前が現実に戻った。
いつの間にか目の前には幸村がいる。

「君が仮マネージャーの苗字さん?」
「ぁ、はい。苗字名前です。
よろしくお願いします。」
「名前って言うんだ。可愛いね。
俺は部長の幸村精市。よろしくね。」
「はい。」


幸村の普通の笑顔に、名前も自然と笑った。


「うん。真田、採用。」

「「「(早っ)」」」

「ん?皆、どうかした?

「「「びくっっ」」」


部員達の方を見た幸村。目が笑ってない。
読心術をあっさり使った幸村に、部員達はかなりびくびくしている。

「しかし幸村、」
「…精市、いいのか?」

「俺がいいって言ったらいいんだよ。」

「ぁ、あぁ…わかった。」


真田もさすがに敵わない。
蓮二もたじたじながらも、何かを記録しているようだった。





いきなりだが、仮ではなく本当のマネージャーになった名前。
少し嬉しそうに笑っている。
幸村は再び名前の方へと向いた。


「ねぇ、名前は彼氏いるの?」
「へ…?」
「幸村君、それは…!」

「ブン太、どうかした?」

「ぃ、いや…」


ブン太はその話題に触れようとした幸村を制止しようと止めに入ったが、幸村の笑顔にひるんだ。


「で、どうなの?名前。」
「それは俺も気になるのぉ。」
「あ、俺も気になるっす!」
「おい!!…俺は、赤也がなんで名前と親しそうなのかが気になるんだけど。」

幸村のその話に便乗した仁王と赤也。
ひるんでいたブン太は赤也の発言に、自分の疑問を打ち明けた。

「俺っすか?俺は、今朝テニスコートで職員室探してる名前先輩を見つけて…」

「「「別方向だろ。」」」

「そんなの知らないもんっ」


ぶー…とむくれた名前に見惚れるメンバー。


「「「(可愛すぎだろっ)」」」


「…名前、」
「何よ幸村君。」
「俺のモノにならない?(ニコッ)」
「…………はへ?」


バッ

「むぐ…っ」

突然名前の口を手で塞いだブン太は名前を連れて走り出した。


「どこに行くの?」

「わりぃ、いくら幸村君の頼みでも今日は勘弁!!お先!!」
「ぷはっ皆バイバーイ」



そう言って二人は去っていった。
残されたメンバーはただ呆然とするしかなかった。



「ねぇ蓮二、」
「なんだ、精市。」
「ブン太って、名前の幼なじみなんだっけ?」
「あぁ、そうらしいな。」
「ふーん…まぁ今日は許そうかな。
今日はね。ふふ…

「「「………。」」」


改めて幸村の恐ろしさを知ったレギュラー陣であった。

また幸村は、新しいおもちゃを見つけたかのように微笑んでいた





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