病院を出てからの帰り道、名前はブン太の様子を気にかけていた。
「ブン太…やっぱ今日怒ってる。」
「…んなことねぇよ。」
運命を君と。
8.Childhood friend
久しぶりに会った名前は、前よりも綺麗になっていた。
名前が転校してからも何度か会っていたが、会う度に綺麗になっていく名前に、またしてもアレが増えていくのかと思うと気が気じゃない。
「そういやお前、家どこなんだ?」
「前と一緒。」
「はぁ!?」
前と一緒、つまり、ブン太の家の隣ということになる。
「聞いてねぇぞ俺!!」
「言ってないもん。」
「だいたい、隣だったら普通挨拶とかすんだろうが!!」
「したよー?昼間に。」
「な…ッ俺何も聞いてねぇよ!!!」
「内緒にしてもらっただんもん。」
「はぁ?なんでだよ?」
「驚かせようかと。」
「お前なぁ…」
相変わらずの名前に溜め息をつきつつも、あまり変わっていないことを嬉しく思う。
転校してしまって、名前ともう会えなくなる気がした。
だから何度も会いに行った。電話もした。
場所だけじゃなく、名前自身が遠くへ行ってしまう気がしたから。
けれど、名前は今、ちゃんとここにいる。
その事実が、嬉しい。
「名前…」
「ブン太ってさ、幼なじみだし、アレの1番最初の犠牲者だし、大変だよね。」
「は?別に…犠牲者なんかじゃねぇよ。」
「ん?」
犠牲者なんかじゃない。
大好きなお前と一緒にいられる。
それは何よりも嬉しいことだ。
ただ、俺の他にも増えてしまうのが厄介ではあるが。
「なんでもねー。
ッつか、どんぐらい増えたんだ?」
「んー…大量に?」
「マジかよ…お前は、いいのか?」
「もうあんま気にしてないかな。慣れた。」
「…そっか…。」
気が付くと、家の前まで来ていた。
また明日会えるのに、別れたくなかった。
ブン太が躊躇っていると、名前がブン太の様子に気が付いたのか、ブン太の目の前に来た。
「ブン太、」
「ん…?」
「一緒に学校行こうね。」
「…っ!…あぁ、約束だぜ?」
「うん!じゃぁまた明日!」
手を振りながら家に入っていく名前。
ブン太は、頬に熱を感じていた。
next.
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