「実は…昨日彼女がすごく酔っ払って帰ってきまして。」
「へぇ……それで?」
人にこんな風に恋の相談をするというのは初めてのことで、どう言っていいのかわからなかったのですが、話し出すと不思議とすんなり悩みを打ち明けている自分がいて驚きました。
こんな相談をする日が来るなど、思ってもみませんでしたから。
「なるほどねぇ…つまりイッチーは、もっとレディに甘えられたいってことかい?」
「甘え…そうなのかも、しれませんね…」
甘えられたい…確かにそうなのかもしれません。
私を求めてほしい。私をもっと頼ってほしい。
私は、名前に愛されているということを、実感したいのかもしれない。
自分はこんなにも寂しがり屋で我が儘だっただろうか。
名前といると、新しい自分が見えてきて、とても新鮮な気持ちになるんです。
「それにしても、イッチーが恋の相談をしてくるとはねぇ…
それだけレディに本気ってことかな?」
「そうですね…本気で愛していますよ。」
こんなにも人を好きになったのは初めてで。
だからこそ、もっと愛されていると実感したくて、私が愛しているということを知ってほしくて。
本当に、恋とは難しいものですね。
「じゃあさ、イッチーがレディに甘えてみたらどうだい?」
「……はい?」
奏
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