WASABI/r.n


ただいま深夜2時。けたたましく俺の携帯が鳴り響く。
眠気まなこでディスプレイの名前を見るとみょうじなまえと表示されていて俺はベットから転げ落ちた。

亮「はい。どーしてんこんな夜中に。」

「別にー。亮最近どう?」

亮「何が?」

「いろいろやん!」

亮「お前はどうなん?」

「すばるくんと喧嘩した。」

亮「また?今回は何?」

「すばるまた女の人と飲みに行ってた。」

亮「そっか。いっつも俺にその報告してくるけどなんでなん?」

「だって亮の声聞いたらなんか安心するもん。」

亮「あっそ、、、。」

「あのな!私は行くなって言ってる訳じゃないねん!一言言ってくれれば!」

亮「でも結局言うてくれてんのちゃうの?事後でも、」

「いつも私が横山くんから聞くの。」

亮「横山くんなんでも言うなー。」

「報告してくれるのは嬉しいけど聞きたくないのも半分ある。」

亮「まぁ、横山くんなりの善意なんちゃう?」

「もう、別れよかなー。」

亮「毎回言うてるやん。」

「そうやけど!今回は本気!」

亮「俺そのフレーズ何回聞いたらいいん?」

「だってっ!!!」

亮「とりあえずもう今日は寝ろ。」

「、、、わかった。」

電話を切って俺は少し微笑む。そのまま別れてくれればいいのに。なんて思ってしまう俺は最低なんかな?なんて思いながら眠りにつく。
3日後またあいつから連絡が来た。
"亮ー!仲直りしました!!ご迷惑おかけしてすいません!!もっかいすばるくん信じてみるね!"
ほらな。また別れへんかったやろ。俺の願いは届かんねん。このままあいつのこと連れ去ったろかな。すばるくんのもんでもいいからあいつ連れ去ったろかな。って毎回思うけど結局笑ってるあいつの顔が見たくてできひん。
それから数日後またあいつから連絡が来る。
"また喧嘩した。もうどうしよ。"
今のタイミングなんじゃないか?って思った。
今から会いに行ってあいつのこと抱きしめたら俺のものになるんちゃうかって。
ホンマはずっと好きやったって。呆れるほど一途やったって。あいつに伝えたら手に入るんちゃうかなって思ってしまう。
でも結局は手に入らない君。
俺はこれからもこんな不敵に突き抜ける恋を続けていくんやな。

叶わなくても俺はなまえが好きや。

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