じゃあ、何故/h.m 3



いつも通り、しょうもない

話をして、ふざけて、

笑ってる。

北「なまえそろそろ帰れば?」

「うん。帰るね!」

北「送るよ。」

「いいよ!家隣だもん!」

北「一応。何が起こるかわかんねぇーし。」

「ふふっ。北斗ありがとう。」

玄関を出てなまえの家の前。

「北斗。今日はごめんね!」

北「ああ。じゃあな。」

俺が振り向いて帰ろうとすると、

「北斗!」

振り向くとあいつの唇が

俺の唇に触れる。

「じゃあね!」

驚く俺をほったらかしにして

そそくさと家に入って行った。

俺の気持ちなんか、

あいつはわかってねぇ。

そんな事されたら、勘違いするだろ。
昨日の事があったから、

正直少し浮かれている。

なのに、なんであいつは

普通に、いつも通りに、

俺に接するんだよ。

...そっか。ジェシーが

居るからだよな。

俺の目の前で楽しそうに話す

ジェシーとなまえ。

でもジェシーと付き合うことはないだろう。

届かない恋とわかってるから、

届かないやつだから、

重ねて俺にキスしたんだろ?

なまえもきっと俺と同じ

思いしてるんだ。

だから...

いつか、いつか

そんな俺らの気持ちが

一緒になればいいのに。

淡い期待を抱いて、

また俺はあいつに溺れるんだ。




end

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