05
玄関のドアを開け、足を踏み入れると家の中は真っ暗だった。電気をつける為家の中へ踏み入れようとした時、私の足に何かが触れた。
その瞬間"うっ。と言う声が聞こえた。
急いで電気をつけて辺りを見回すと、玄関のすぐ近くで柚飛がうずくまっていた。
"姉ちゃん、、遅いじゃん、、"
真っ赤な顔、うるうるした目、今にも倒れそうな弟は消えそうな声でそう告げた。
びしょびしょの身体で弟に触れることができないと咄嗟に判断し急いで着替えて弟をリビングへ運んだ。
私の中の疑問を弟は読み取ったのか、
"姉ちゃんが出てから誰かから電話が来て、何かゴソゴソしてから出て行った。"
と告げた。高熱で上手く呂律変わらない口を必死に動かしている様子にたまらなく罪悪感がうまれた。
朝から何も口にしてないであろう弟に食事を作ろうとキッチンへ向かおうとした。
キッチンの前にあるダイニングテーブルに紙切れと何かが置かれているのに気がついた。
"離婚届"と"結婚指輪"だった。
離婚届には母親の名前などが記入されていた。
そしてもう1枚の紙切れには
"親権はいりません。"
とだけ書かれた紙が添えられていた。
さすがに父親に話さなければならない事態になってしまった。
とにかくまず弟への食事と薬を済ませて、部屋へ連れて行き眠らせた。
それから自分のの冷えきった身体を温めるべくお風呂に入り、深夜0時に差し掛かる辺りで父親に電話をかけた。