美味しいランチが約束された日

出社してから自分のPCを開き、メールのチェック。今日は外に出る予定がないので、内勤。溜まっている書類の整理でもしよう。


『社長、おはようございます』

「おはよう、白崎くん」

『本日の予定をお伝えします』


社長が出社する時間に合わせてエントランスに向かう。車から降りてきた社長に挨拶をしてから1日の予定報告。社長が通ると社員たちは頭を下げる。私は先にエレベーターに乗り、社長室の階のボタンを押した。


「ねぇ、白崎くん」

『はい』

「ここのパン屋さん知ってる?」

『パン、ですか?』


社長のスマホを覗くと、おしゃれなパン屋さんのホームページで。ここ、塩パンが美味しいらしいんだけどねと社長が言葉を続ける。


『へぇ…白トリュフの塩パン…』

「娘が食べたいって言っててさぁ」

『美味しそうですもんね』

「ほら、娘の好きなグループの子達が食べてたらしくて」

『…ああ、なにわ男子、でしたっけ』

「そうそう」


チーンという音で社長室の階に到着。今日買いにいける時間あるかなぁと社長がポツリと呟いた。おおかた、娘さんに買ってきてー!と頼まれたのだろう。愛娘にお願いされたら断れないのが社長だ。


『今日は1日会議が詰まってますもんね』

「うーん、今日は無理そうだなぁ」

『…よろしければ私が買ってきましょうか?』

「え?いいの?」

『はい、このパン屋さんなら休憩時間中に行って帰って来れますし』


じゃあ、頼んじゃおうかなと笑顔の社長。これで買ってきてよ、とパン屋さんでパンを買うには多すぎる金額を手渡される。娘さんの分と秘書課への差し入れにプラスして私の好きなパンを買っておいでと言われてしまった。ありがたく受け取って社長室を後にする。今日のお昼は美味しいパンが食べれるのかと思うと自然と頬が緩むのだった。


>> list <<