どうにもこうにも


「え、みっちーどうしたん」
「え?えへへへ、」


マネージャー待ちでコーヒーショップのコーヒーをテイクアウトして外で待ってたら、店内に奈那ちゃんの姿が見えた。電話越しに聞こえる奈那ちゃんの声がくすぐったくて。
スマホと睨めっこしてるなぁと思ったら、まさか俺へのクリスマスプレゼントを考えてくれていたとは。マネージャーがきて車に乗り込んでからも、どうにもこうにも顔が溶けるほどニヤけてしまっていることを流星くんに指摘された。


「んふふ、ごめん、今もう嬉しくてアカンのよ」
「マネージャー、みっちーが壊れました〜」
「道枝さん、今恋する乙女なんで放っておいて大丈夫です」
「うぉおおおい!マネージャー!」


マネージャーの突然の暴露に大声を出したけど時すでに遅し。隣で目をまんまるくしてる流星くんと、後ろに乗って寝てたはずの丈くんと恭平までもが目をキラキラ輝かせてこっちを見ている。


「みっちー、どういうことか聞かせてもらうで?」
「丈くん、今寝てたやん…」
「なに、彼女できたん?俺知らんかってんけど」
「恭平だけじゃなくて俺も知らんかったし。みっちー、最近スマホ見ながらニヤニヤしとるなぁとは思ってたけど」


3人からの視線を浴びて、頭を抱える。メンバーに隠し事とか無理なんはわかっとるけど。ひとつ深呼吸をして「まぁ、最近、気になる子がおって…」と濁しながら話しても、で?続きは??と期待した視線しか返ってこない。


「あ〜いや、なんか、俺に?クリスマスプレゼント…考えてくれてるみたいで」
「え〜!それ脈アリなんちゃう!?」
「うわ、恋バナ大好き流星の目が輝いてんで」
「そういう丈くんもニヤニヤしとるやん」


俺の言葉にテンションが上がる流星くんにツッコミを入れる丈くん。恭平やってニヤニヤしとるぞ、と言いたいところやけどこれ以上何か言うてもイジられるだけや、と黙る。


「え、でもその子がみっちーにプレゼント用意してくれるってことはさ?」
「ん?」
「みっちーもその子に何かあげるやんな?」


流星くんの言葉に、先ほどまでうるさいくらい賑わっていた車内に静寂が訪れる。奈那ちゃんにクリスマスプレゼント…え、貰えることが嬉しすぎて頭からすっぽり抜けてた。最悪やん、俺。


「え、え、プレゼントって何買ったら良いん?」
「アカン、みっちー違う意味で壊れ始めてる」
「え、待って?奈那ちゃん、何欲しいんやろ」
「へぇ"奈那ちゃん"って言うねや」
「え、丈くんなんで奈那ちゃんの名前知っとんの?」
「いや、今自分で言うてたやん。怖い怖い」


奈那ちゃんにクリスマスプレゼントを渡す?え?何あげたら良いん?って頭の中は大混乱。奈那ちゃんの好みってなんやろ…アクセサリー?いや、なんか重いな。ほら、彼女、とかやったらアレやけど、まぁ、違うし…花?いや誕生日ちゃうし…お菓子?え、なんやろ…


「みっちー、みっちー」
「なに?」
「全部心の声漏れてんで」
「…嘘やん」


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