二世ネタ
「月だ。…今日は満月なんだ…」
空を見上げると、空気が澄んでいる所為か月の輪郭がくっきりと見える。街灯もないのに、私の影もはっきりと映ってる。
「空は…あんまり変わらないのにね…」
あたしの住んでた時代と…。上に向けてた視線を山へ移し、あたしは導かれる様に山道を登った。
月明り射す暗がりの山道。少し横道にそれれば月の光も届かぬ暗闇が広がっている。それを見ると、体が震えだす。思い出したくもない惨劇が脳裏に浮かび上がり、口がカタカタと鳴りだす。
震える足を急がせ、私は目的の場所に向かった。全てが始まった場所へ…。
「ほんとだ…あった」
前によく真奈達と来た泉によく似た場所。正確には、あの泉の500年前の姿らしいけど。
この場所で沈む真奈に手を伸ばして、あたしも飲み込まれ…気づいたらこの時代にいた。真奈の話だと、稚児に喚ばれた…なんて言ってたけど…じゃあ、あたしは別に帰ってもいいんじゃないの?
一歩、また一歩と泉へ踏み込む。泉の真ん中まで来て、腰あたりまで浸かった体を一気に泉に沈めた。
お願い…あたしを、元の時代に帰してっ!!
心の中で何度も何度も唱えた。この息苦しさから解放されれば、あたしは元の時代に帰れる、悪夢から目覚める事ができる。
そして、その息苦しさからはすぐに解放された。あたしの腕を掴んで水面に引き上げた存在によって。
「ゴホッ、」
いきなりの事で少し水を飲んでしまった。
「何をしている。こんな夜中に行水か?」
「いやっ!放してっ!!」
腕を掴まれた瞬間、あの男たちの事を思い出して、身体が勝手に拒否反応を起こしてしまう。
腕を払いのけて見れば、あたしと同じく泉に腰まで浸かった暁月がいた。
「兎に角上がれ。そこにある布で身体を拭けよ。風邪ひくぞ」
「ほっといて。あたしは…元の時代に帰りたいの。あたしは、真奈と違って喚ばれた訳じゃないもの…きっと帰れる」
それから何度も何度も泉に体を沈めた。だけど、息苦しいだけで何も変わらない。
「何で…どうしてなの…真奈が居ればそれでいいんでしょ?だから、あたしは帰してよ…っ、帰してよッ!!」
水面をバシャバシャ叩いた。だけど、辺りにその音が響くだけ。
「気が済んだか?…帰るぞ」
「勝手に帰ればいいじゃない。私は帰らない」
「ここにいたって帰れるとは限らないだろ」
「……あたしの居場所は…元の世界しかないの…」
この時代にあたしの居場所はない。どこにいたって窮屈でいつも見張られてて、だけど真奈は…皆に護られて…。
「…っ、…何で…こんな目に遭わなきゃならないの…?真奈をこの時代に喚んだって言う少年も、あなた達も!真奈が居ればそれでいいんでしょ!!あたしはどうしたって構わないんでしょ!!何であたしが、巻き込まれなきゃいけないのよ!!」
心に溜め込んでいたものが堰を切った様に溢れ出す。
「……」
「…」
沈黙が辺りを流れる。いつもの嫌味もトゲトゲした物言いもない。
呆れているのかもしれない。
「………の、」
「え?」
「…わか、てるの…。真奈は何も悪くない。あたしが勝手に巻き込まれて、運が悪かっただけ。真奈は真奈で苦しんでたんだって…」
―
主人公はRYUが好き。初めて暁月と会った時、RYUと見間違える。暁月の態度に一緒なのは見た目だけじゃん!RYUの方が絶対いい!とおもっていたが、暁月と過ごすうちにRYUの事を思い出そうとしても暁月ばかり頭に浮かぶ。それで自分は暁月を意識しているんだと気づく。
ーー
白羽:よかった、勝手口の鍵がかかってなくて…
満月が出ているが、山道は暗い
白羽:…あった、この林の中だ。
泉の中に入る。座り込み、水面に映る自分の顔を見る。
白羽:ねえ、聞こえる?お願い…うちに帰らせて!私、家に帰りたい…!
(きっとあの子はここにいる。私の事を見てる。そう信じたい。信じていたかった。
白羽:沈まない…どうして?この泉からなら、帰れるんじゃ…
声:誰か…あの方を助けて
白羽:私の事『泉守の比女』って呼んだよね…それって何?なんで私じゃなきゃダメだったの?
声:泉守の比女よ。あのお方の危機は去っておらぬ
白羽:私には、なんにもできないよ…!だから帰らせて!
声:そなたのすべきことも、まだ終わってはおりませぬ
白羽:帰らせて…お願い…。おねが…い…うぅ…っ…
バシャバシャと水面を叩く
暁月:何やってんだ、お前
白羽:あか…つき…
暁月:ほら、こいつで拭け。こんなに水浴びしたけりゃ、明日にでも川に連れてってやる
白羽:私…帰りたい…
暁月:わかってるよ
白羽:わかってない…私は自分の時代に…
暁月:そんなこと、わかってる。うちに帰りたいんだろ?
白羽:……
暁月:仕方ない奴だな…なんとかしてやるから…泣くな
白羽:…え…?なんとかって…あんたが…?
暁月:…なんだ、…俺じゃ不満なのか?
白羽:わ、不満なんて…
暁月:俺が無理なら、御屋形様がいる。ほかのヤツらもいる。きっと何とかなる。だから泣くな
白羽:……うん…
(本当のことを言うと、驚いた。暁月が、こんな事を言ってくれるなんて
暁月:みんな心配してる。帰るぞ
白羽:うん…ごめんね。ありがとう…
暁月:…なんか、お前が素直だと調子狂うな
白羽:…ばぁか
暁月:な…なんだと?
白羽:ばか!ばかばかばか!
暁月:やっぱ可愛くねえ…
帰り道、悪口を言い合いながら、月の光の中、二人で歩いた。子供みたいだったけど、笑った。そうするだけで気分が楽になる。本当はまだ辛いけど、でもいつかきっと帰れるんだと、そう信じたい。
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真奈と仲良しの主人公。
真奈とともに居なくなった男の子を探す。その時光に呑まれる真奈に手を伸ばし、主人公も飛ばされてしまうが、光の中で真奈の手を離してしまい、主人公は別の場所に飛ばされてしまう。
真っ暗な森の中に倒れた主人公。そこで山賊に遭遇し、強姦され、身包み剥がされる。
山賊が酒盛りをしている隙に布切れを巻き逃げ出す。
無我夢中で逃げる。野犬の声に怯えながら、山を下る。
山賊が主人公が逃げたのに気づいて追いかけてくる。無我夢中で逃げてると小さな谷に落ちる。人の高さ程の谷で身を潜め山賊が居なくなるのを待つ。だけどあっさり見つかり相手が刀を抜くのをみて、殺されると思った時、風が抜ける。
すると目の前の一人が倒れる。驚く主人公と他の山賊達。次の瞬間、闇から黒い物が動いたと思うと族が次々倒される。放心状態でいる主人公の前に、額を布で巻いた暁月が来る。
裸の主人公の姿を見て、とりあえず里に連れて行かれるが、敵国の密偵の可能性もあるとし、牢屋に入れられる。
取り調べで主人公が意味の分からぬ言葉を喋るのが、数日前に里に来た御使い様に似ていると気づき、真奈と対面。
最初は真奈との再会に喜ぶが、真奈と村の人とのやり取りを見て、そして真奈は御使いとして大事にされているのだと知ったとき、どうしてこんなに私と違うんだとおもってしまう。
周りの人は優しくしてくれるが、それを素直に受けれない。
森の中に入った泉が現代と繋がっているかも。でも帰れないと聞かされた。でも夜中、主人公は一人森に入って行った。泉に入り、水に浸かり、私は別にいらないんでしょ!帰してよ!元の世界に帰して!!と叫ぶが何も変化は無い。
そこに暁月が来る。体が冷えるから戻れ、と。聊(いささ)か冷たい目をした彼をキッと睨む。
「あんた達には真奈がいればいいんでしょ!だったら私に構わないでよ!!」
「構いたくて構ってる訳じゃない。親方様の命だから仕方なくだ」
(仕方なく…ね)
そうだろうとは思っていたが、直接言われると分かっていても心にズキンと来る。
最初は暁月とはギスギスした感じ。
だけど過ごしていくうちに少しずつうちとけていく。
そして暁月に惹かれていく主人公。だけど彼は親方様の命で傍にいるだけ。そして私はいつか帰る。
帰る事をずっと願っていた主人公。だけど、それも少しずつ寂しくなってきた。
全てが終わる時、光の中に入る前に暁月に告白する。返事を聞かずに(どうせふられるのは分かってるし、二度と会えないのも分かってるから)光の中に半分くらい入った時、暁月に手を引かれる。光は消えた。
えっ?と困惑する主人公は暁月の胸に抱きしめられてるのに気づく。見上げると、主人公を見下ろし頬を染めた暁月がびっくりした瞳でみていた。
無意識のうちに主人公の手をひいていたみたい。暁月の混乱具合に笑う主人公。
言葉にしないけど、私の手をひいてくれた。それだけで嬉しかった。
その後、主人公は秋夜の手伝いをしながら村の一角の家で生活をする事に。暁月は任務がない時は傍にいてくれる。
まだ言葉にはしてくれない。暁月の立場を考えるとそれも仕方ないと諦めている。だけど傍にいてくれるだけで嬉しい。
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主人公
陸上部。
真奈とは泉の祠の後ろに手紙を入れてお互い面と向かって言えない事を書いておいていたりした。ごめん。とかそんな話。
その場所に村の祭りの時お揃いでかった鈴と暁月と主人公の絵(雅刀に書いてもらう)が入った箱を埋めておく。幸せだよ。と主人公の文字。あと、主人公の両親に当てた手紙。
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この時代に飛ばされて数ヶ月。
特に変わりなく時間が過ぎる。朝起きてご飯を作り、それから秋夜の所でお手伝いをし、集落の人々と交流をする。
暁月も変わらず忍びの頭として働いている。
ある時山賊とかに村が襲われる。非番で主人公と共に居た暁月だが、御館様の事が気になり、それを察した主人公は御館様の所にと言う。少し手が震えながら、私は大丈夫!村の人達と屋敷に向かうからと笑顔で見送る。
御館様の無事も確認し、山賊を倒しながら人々を避難させる。
そんな中、村の子どもが暁月の下へ血相を変えて走ってきた。
主人公が子ども達を庇って斬られたと。逃げ遅れた子と一緒にいる。
〜
主人公の無事を確認すると、暁月は主人公を抱きしめた。無事でよかった…ごめん…と。
捜しに来てくれたから許す!と震えるながら笑う彼女を見て、暁月は決心する。
御館様に、彼女と共にありたいと。彼女を護ることがこの時代に残してしまった俺の責任と、願いなのです。
忍びが自分の主君以外を護る事、そして夫婦となる事は許されない。暁月の後ろに回った御館様が彼の髪の束を手に取るとそれを小太刀で切り取った。忍び頭、暁月は死んだ。これからは自分の思う様に生きるといい、と御館様は笑顔で言ってくれた。
その夜、暁月と主人公は村をでる。掟を破ったのだから村にいる訳にはいかないと。
これからは傍で護ってやるからと言う暁月に期待してる!と笑う主人公。
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