呼び出し
次の日不穏な空気に包まれている城の原因は、やはりハリーにあるらしく。
彼はパーセルタングだというのだ。このタイミングでこの事実。生徒のほとんどが彼を継承者だと認識したらしい。
そろそろ話をするべきかとそう思っていた時、
「セルウィン先生。この後空いてますか?質問があるんですが」
驚くことに呼び出しをしたのはあちら側だった。今日は日曜で大広間で昼食を済ませたところで、あの3人に呼び止められたのだ。
「大丈夫ですよ。場所に予定は?」
「あ、いいえ!ありません」
焦ったように答えたのはグレンジャーだ。
「なら、案内したい部屋があります。着いてきてください。」
私は警戒心をむき出しにする彼らを従え、五階の例の部屋に向かう。
「確かこの先って行き止まりじゃ………」
「まあ、そうですねぇ」
私はウィーズリーの問いに気の無い返事をする。そしてあの絵の前で立ち止まった。
「この先知らぬ者には壁のみを、知る者には真実の部屋を見せます。………この肖像画を知っていますか?」
「〈没落カポーティ夫人〉ですか?」
「よく知っていましたね。正解です。ではこの夫人の背景に描かれた星の名は?」
「これは………冥王星?」
「またまた正解です。」
「ホグワーツの歴史に載っていました。絵画の中でもこの肖像画は飛び抜けて古いと……」
「そうです。………夫人、この3人を中に入れますが問題はないね?」
「あっらぁ。珍しい。あなたが他人を中へ導くなんてぇ。………合言葉はぁ?」
問題はないようだ。私は相変わらず天邪鬼な彼女にいつも通り言う。
「富める者〈プルートーン〉」
「!!」
突然絵の後ろに現れた階段に三人は驚いて声も出ないらしい。
「ようこそ、私の第二の部屋。冥界の部屋へ」
なんと物騒な名前だろう。自分でもそう思う。私は3人を階段へと導いた。