光を導く声

 ラミアはどこまでも暗い闇の中を走っていた。

 自分の姿も見えない、本当の暗闇。

 走って。走って。走って。

 ラミアは立ち止った。



この暗闇に終わりはあるの?

この暗闇の先に何かがあるの?

本当に意味があるの?



 蹲って頭を抱えこんだ。ラミアは頭の中がぐちゃぐちゃになっていくような気がした。
 もう一人のラミアが声をかけてくる


毎日が楽しかった
  ____知らないことを知って、友人と笑って。
笑わない日はなかった
  ____初めての友人達。可愛い後輩。面白い先輩達。
そんな時間がいつまでも続くと思ってた
  ____永遠に。永遠に。ずっと笑顔でいられると。

でも、永遠なんてない
  ____もう終わってしまった。
全てが崩れていく
  ____酷く息が苦しい。
笑い方なんて
  ____もう思い出せない。



 この感情は何だろう。もう悲しみではない。ラミアは思った。酸素の抜けた肺に渦巻くどす黒いなにか。それの追い出し方をラミアは知らない。



「___」


 何かが聞こえた。凛とした何か。


「___ ___」


 周りは暗闇の中だが、瞼の裏に何かが見えたような気がした。


「___ ___ ___」


 その何かを見失ってはいけない。ラミアは直感的に思った。



 ラミアはギュッと目を瞑った後、もう一度目を開いた。




「ラミア」



 目の前に移ったのは、心配そうな顔をした友人の姿だった。

嫌いな色で塗りつぶして