運命と呼ぶには少し甘い

 組み分けの結果、私はレイブンクローに組み分けされた。レイブンクローの名前が叫ばれた瞬間、盛り上がったレイブンクロー以上に声を張り上げたのは兄のカイル。


「いいぞ、ラミア!これでコンプリートだ!」


 その叫びにグリフィンドールと笑いが隠せないようで、思いがけないところで恥ずかしい思いをした。後で兄には怒りの手紙を送っておこうと思う。
 レギュラスは母親の思い通り、スリザリンに組み分けされた。本人も少し安心したように笑っていたのでこちらも安心した。
 監督生に案内されてレイブンクローの寮へ向かう。西棟の天辺へ螺旋階段を登ると、鷲の形をしたブロンズのドアノッカーが見えた。寮への入り口は謎々を解くことで開くそうだ。すごくワクワクする。



螺旋階段を登り自分の部屋へ案内される。中へ入ると既に人がいた。


「貴女のベッドは一番奥よ。」

「え、あ、ありがとう……」


 先に声をかけてくれたのは、金髪ロングの美少女。いかにもお嬢様という感じだ。私は軽く会釈して自分のベッドへ向かう。真ん中のベッドにはまだ誰もいない。ベッドに腰掛け彼に目を向けると、バチッと目が合った。


「私はシンシア・ウォリス。貴女は?」

「ラミア・セルウィン」

「組み分けの時叫ばれてたわよね?あれはお兄様?」

「うん。グリフィンドールの6年生」


 こんなに目立っているとは・・・。心外だった。
 ベッドが離れているのにも関わらず、二人とも自分のベッドから腰を上げようとはしなかった。だがそれはそれで楽なのも事実で。私たちはお互いのことを話した。
 シンシアは母親がマグルの混血で、父はいいとこのお坊ちゃまだったらしいが、一家の反対を押し切り婿養子にでたという。シンシアはいつか燃えるような熱い恋をしたいと目をギラギラさせて語った。


 しばらくすると激しく部屋のドアが開いた。3人目だ。


「はじめまして!コーデリア・リドゲードです!7年間よろしく!」


 不覚にも呆然としてしまった。シンシアも同じようだ。コーデリアはすごい勢いでシンシアのもとへ向かい、名前は?と勢いよく尋ねる。


「シンシア・ウォリスよ」

「シンシアね!あなたは?!」


 シンシアの名前を聞きすぐにこちらを向いて迫ってくる。正直恐怖しかない。


「ラミア・セルウィン……」

「ラミア!よろしく!」


 随分個性的なルームメイトのようだ。きっと飽きることはないんだろう

嫌いな色で塗りつぶして