「ーーーーー、んぅ………。」
「………痛いか。」
「痛い、です………でも、もっと強く……。」
「いいですね、そういうお強請り、俺は好きですよ。」
「あっ、そこ………!い、い……あ……っ。」
「ここか?確かに好きそうだよな、結構感じるだろ?」
「ん、ふ………!」
「ほら……こんなにも深く入ってますよ、指が咥えるように沈み込んで………。」
「さっきから卑猥な会話にしか聞こえないんですが。」
そう啖呵を切ったのは書簡をまとめつつ、しらけた目で眺める徐庶。その言葉に対して訝しげに目線を寄越す法正。
「ああ?そういう風に捉えるお前が一番卑猥だろうが。俺は純粋に按摩をしてあげているだけですよ。全く人聞きの悪い。」
「そ、そうですよ……徐庶さん……あっ!」
「ほらだから!そういう声がどれだけ俺の理性を……。」
「ふ、この声で唆るか?残念だが、こいつは俺の下でしか啼かん。」
「ちょ……っ、なに言っているんですか!」
勝ち誇った顔で笑う法正は、彼女の腰に跨りながら背中を十の指で器用に解していく。
「だってそうでしょう……?貴女の声を聞いていると背中がぞくぞくしてきて、今にも俺は………。」
「うう………恥ずかしくなってきました……そろそろ退いてもらえませんか……。」
「断ります。まだ全部終わってませんから。」
「はぁ………法正殿、何処か……貴方の部屋で続きやって頂けませんか……何故俺の部屋で……。」
「ああ、すみませんねえ……生憎俺の部屋は散らかっているもので、ついでに彼女の部屋も今使えない状況でして……仕方ないのでここにしたんですよ。」
「………………。」
あからさま過ぎて、返す言葉も出ない訳で。徐庶は一向に進まない筆を持ちながら、何度目か分からない溜息をこぼす。
どうせ彼女との仲良しこよしを見せつけたいだけだろう。分かっていながらも本当に独占欲の強い人だ。
「ううー………法正さん、さりげ無くお尻を触るのやめて下さい………。」
「ああ失礼、ここも凝っているかと思いまして。」
「やっ、胸も大丈夫ですから!」
「頼みます!俺の部屋でそんな破廉恥な事しないでください!」
胸だの尻だの容赦なくに揉みしだいて愉しむ法正。ずっしりとのしかかっている為、身動き取れない彼女は彼のなすがまま必死に足をばたつかせ身を攀じっている。次第に加速していく行為に徐庶も耐え切れず目線を避け、出来る限り耳を塞いでその場を凌ごうと努力するが……。
「破廉恥?何を今更純情ぶってるんだ。言い出しっぺはお前だろ。」
「そ、それは………。」
「ほら、これだろ………?お前が言っていた、卑猥な事って言うのは………。」
「…………うっ…………。」
低く笑う声に恐る恐る視線を寄越せば、開けた衣装から見せる胸の谷間と投げ出した太もも。彼女も観念したのか、息を切らせながら顔を真っ赤にしている。
眼福、否、そうではなく、非常に不味い。
「やだ……法正さん、まだお昼です………!」
「流石に先はしませんよ、まだ、ね。」
そう言う彼の目付きは先程とは違って鋭く光らせており、このままだと良からぬ延長戦がこの部屋で始まってしまう。
「俺が悪かったですから黙って純粋な按摩をして下さいお願いします。」
もう絶対に何も言いませんから、そう泣きそうな声で訴えれば、法正は満足気に彼女の背中を一筋なぞった。
(もう駄目だ……彼女が近くにいるだけで書簡の内容なんて全く入ってこない……)