保健室の先生

私の学校の保健室の先生は少し変わっている。自分を悪党と名乗り、怪我をした生徒は後で必ず恩を返すという約束で手当をする。それが出来なかった生徒は男女問わずに報いるそうだ、内容は分からないが兎に角恐ろしいらしい。

しかしそんな彼と私は特別な関係を持っていて、先生と生徒という禁断ながらも互いの親も認める恋人同士なのだ。体育の時に足を挫き保健室に行った事がきっかけであり、その際の恩返しが恋人になるという事。何処か無理矢理な感じもするが、ななしは密かに好意を持っていたので快く承諾したのだ。

「だからといって大した用もないのに放送で呼ばないで下さい。」

「残念、用ならたっぷりと用意してありますよ。ああ、まずはこれの記入お願いします。」

どうして生徒である自分が保健医の仕事をやらなければいけないのだ。渋々文句を言いながらもしっかり受け取り言われた通りに書いていく。
外ではチャイムが鳴り響いて休憩時間の終わりを告げているが、ななしは決して教室に戻ることは無い。というより戻る事が出来ないのだ、それで欠席にならないのも不思議で仕方ない。他の先生に聞いてみたが、頑なに理由を述べてくれなかった。おそらく法正が裏で手を打っているのだろう、今はそう思う事にしている。

「……………もうすぐで卒業ですね、私。」

「ああ、出会ってからもうそんなに経つのか。」

「大学行ったら保健室に来れなくなってしまいますね……なんだか寂しいです。」

「何言っている、貴女が卒業したら俺も此処を去りますよ。」

「え………どうしてですか。」

「そんなの決まっている。」

椅子から立ち上がるとこちらに歩み寄ってトン、と軽く机に手をついた。その大きな手が視界に入れば自然と合わさる視線、その先には白衣に身を包めどたっぷりと色気を含んだ法正の姿。

「あの……………。」

「教えてあげましょうか、その理由を。」

そう言って手を掴むと病人用のベッドにななしの身を投げる。ぼすっ、と柔らかいマットレスに衝撃を吸収されて深く沈まると、何を思ってかその上から彼が馬乗りになった。

「や、あの……!」

「大人しくしてろ。」

制服を脱がされると下着越しからやんわりと胸を揉まれる。驚きに身体を大きく震わせれば伸し掛かる体重が更に増して、完全に動きが封じられてしまう。

「や……っ、はぁ………ん………!」

「声を抑えようなんて思わないでくださいよ。何が何でも喘がせてみせますから。」

唇を噛み締めて必死に耐えるが、もう片方の手の指が唇を割って中へと入り込む。そして口内を好き放題に掻き回すと嫌でも漏れてしまう喘ぎ声。法正は満足そうに口角を上げて唾液を指に絡めた。

「だから言ったでしょう……それに、どうせ授業で誰も来やしない。」

もし急病人が来たらどうするつもりだ、そう潤んだ目で訴えるが彼に止める気はないらしい。

「万が一その時が来たら、楽しみにしていて下さい。」

駄目だ、何か企んでいる目付きだ。そう確信した頃には下着は脱がされて生まれたままの状態になっていた。昼間からでは見られたくない物まで丸見えだ、ましてやななしの身体は未だ誰も汚していない生娘。当然慣れている筈もなく、羞恥は限界メーターを振りきっていた。

「待って…くださ………私、経験ないです………。」

「ああ知っている、だから二つの選択肢を与える。一つはこのまま俺に身を捧げるか、一つは捧げずこのまま終わりにするか。」

どちらでも俺はいい、と手が離れる。

「初めてならばそれなりの恐怖もあるしな、拒絶するあまり泣いてしまうのであれば無理強いはしませんよ。」

そう言われても無性に自分の中の何かが求めている。きっと彼は分かっている、拒みたくとも拒めなくなるように甘い誘惑の薬を施したのだ。

その低く誘う声は耳をも孕ませ、その射抜く様な瞳は魅了させる魔物。

「…………意地悪………………です…………分かっているんでしょ…………とっくに、私が拒めないの。」

「…………………答えは出たようだな。」

お願い、私の全てを奪って下さい。そう囁やけば法正は待っていました、と言わんばかりに唇を勢い良く貪った。深く激しくなるキスはななしの意識と酸素を奪っていき、身体は欲しさにビリビリと疼いてくる。

「初めてで、これか?」

割れ目の奥底は無意識に洪水を起こし、自分でも驚かざるを得なかった。キスだけで感じた、ならばその先は一体どうなってしまうのだ。

「ちが………ただ、その……!」

「それだけ酔わされたか、まぁ俺にとっては都合がいいがな。」

指の腹で秘豆を押し潰すと一際高い声が部屋に響き渡る。グリグリと攻め立てられれば初めての感覚に頭がおかしくなってくばかり、そんな味わった事のない快感のあまりその身はあっという間に頂を見てしまった。

「ああ失礼、まだ焦らそうと思ったんだが……つい、な。」

「はっ…………ぁ………っ!」

そうは言うものその弄る手は止まる事がない。わざと彼はイかせて楽しんでいる、分かっていてもこの気持ち良さには勝らないのだ。
そうして次に脚を広げられると、そこに顔を埋めて厭らしく這わす赤い舌。潤った場所にねじ挿れてその味を堪能した。

「やっ、ぁあ!!だめっ、触れない…………でぇっ!!」

「身体は欲しがっているくせに、言葉は素直じゃないですね。ならば徹底的に言わせてやる……気持良すぎて狂ってしまいそうだと。」

そんなのは心の中だけにしておきたい、言ってしまえば最後彼の思う壺。分かっている、いるのだが。

秘所にかかる熱い吐息は敏感な四肢をガクつかせ、シーツは捩る所為で寄せられ皺くちゃになる。それでも構わず舐め続ければ、何とも言えない感覚にひたすら犯され堪らず大きく叫んだ。

「さて、前戯は終わりだ……覚悟しておけ。」

その言葉通り、法正はズボンのチャックを下ろして己を取り出す。既にそれは熱く、入らないのではないかと思わず不安に駆られてしまう。

「や………そんなの……入らな……!」

濡れそぼつ秘所に宛てがわれると嫌でも分かる粘液と感触。ななしはギュッと目を閉じてただそれを挿れるのを待つ。

「挿れるぞ、少し我慢しろ。」

「ひっ………く………っ……ぁ、あ!」

腰を掴みゆっくりと侵入すれば、途端に膜の引き裂かれる感触と激痛を味わい苦痛の叫びを上げた。嫌々と首を振って涙をシーツに落とすがここで止まる訳にはいかない、早く楽にさせる為にも肝心な所を貫かなければいけないのだ。

「もう少し……そうだ、鼻で息を大きく吸って口でゆっくりと吐け………。」

顔を歪ませながらも言われた通りに呼吸を行い、何とか根元まで辿り着く。最初は焦らず彼女に負荷がかからない程度に律動し、次第に慣れてきたら小突いていく。そうして苦しみから解放されれば快楽へと一直線となる。

動く際に白衣が邪魔くさいと法正は顰めて脱ぐと無造作に放り投げる。バサッと床に落ちる音がすると同時に扉を叩く音が響いた。

「………………あの、入っても良いですか。」

外から女の声が聞こえる、正に先に思っていた通りの展開になってしまった。さすがの法正も先生としてこれには対応しなければいけないだろう、ななしは少しの余裕が出来ると安心しきっていたのだが。

「………ひぅっ……っあ!!」

あろう事か、彼はめいいっぱい突き上げたのだ。当然そんな事予想していないななしからは恥も忘れ大きな声が出てしまう。

「あのー………法正先生、留守なんですか?」

「まっ、……てっ、彼女の……、……んん!」

「それが、どうした?」

ぐちゅぐちゅと鳴らしては彼女に聞かせんばかりに激しく掻き回した。いざ快楽を前にしてしまうともう何も考えられない、例え身も知らぬ人がそこにいたとしても。

「それとも、まだイきたくない方がお望みなら、このまま仕事に戻ろう。患者である彼女の相手をする。」

彼女の相手、言葉の意味は大して深くないのに、無性に離したくないという嫉妬感が芽生える。しかし嫌と言ってしまえば彼女が可哀想である、もし大きな怪我をしていたら、病気が悪化してしまったら。どちらも選択出来ぬななしは戸惑いそれを涙にして表してしまった。

「……………少し苛めすぎたか。」

彼は溜息をついて引き抜くと、きちんと全てを整えてななしが横たわるベッドのカーテンを閉める。そして扉を開けて要件を聞くと、どうやらサボりたいが為に仮病を使ったらしく、さすがの法正も今回は駄目だと断った。そして外に【外出中】のプレートをかけてカーテンを開ける。

「………………。」

変に疼く身体、未だ入っている様な余韻が残っているようで。

「………おい、生きているか。」

「……………法正、さん。」

先生、とは呼ばずに名前を呼ぶ。彼女を帰した事で心から安心し、つい口にしてしまった。

「さて、どうしますか。」

「……………お願いします。」

承知した、と口元を若干綻ばせては再び中へと挿れていく。それだけで敏感に反応し、興奮してつい恍惚に息が上がってしまう。

「あ……法正さ………。」

「孝直でいい、ななし。」

いつものように苗字で呼ばず下の名前で呼ぶ彼。今ここは二人だけの秘密の花園、誰にも邪魔されない蕩う愛の空間。

「孝直……さん、愛してます。」

「ああ、俺もだ。」

そうして律動が始まり、突き上げる快感に身を翻しては幾度も絶頂を迎える。彼は孕ませぬよう寸前で引き抜いては腹の上に撒き散らし、その白濁液を掬いとって舐めれば独特の苦味とつんとした匂い。それでもななしは愛おしそうに舌の上に雫を流した。




初な肉体は彼によって散々犯し尽くされ、気が付けば下校時間を過ぎていた。初めての行為であるのにも拘らず長時間も肌を重ねるとは、お陰で声も腰も至る所が痛い。手加減いうものを知らないのか、口に出したかったが生憎そんな力すら残っていない。唯一言える事は先程の理由を聞く事だけだ。

「辞める理由を……教えてくれますか。」

そう言えば法正は躊躇う素振りを全く見せず悠々と

「決まっている、貴女と結婚するからだ。」

まさかの発言に固まってしまう。

「ああ、ご安心を。貴女の親には話をつけているし、俺の親も承諾した。まぁ、後は本人次第だが……どうだ。」

「…………え、あの…………大学は………。」

「別に結婚しても行けるだろう。子供を産んだら話は別だが。」

「それまでは、妊娠はお預けになりますね……。」

「別に孕んだら学校辞めてしまえばいい、が、どうしてもそれが嫌なら卒業するまでは避妊だな。」

学校も行きたいが彼との子も作りたい。しかし話が急すぎて全く追い付かない、故に決断も下せないのが現実であり非常に悩ましい。
そんな思いが顔に出ていたのか、法正は少しばかり乱れた黒髪を撫でて指で梳いた。

「そう深く考える必要はない、休みの間に考えていけばいい。……ああ、勿論成人するまでは子は作りませんよ、身体はまだ発達段階なので。これでも保健の先生ですから、きちんとした知識は教えてやる。」

保健医が容赦なく長時間行為をするのも問題なのだが、それは言わないでおこう。後の報復が怖い、怖いと言えばそうだ、彼は生徒達にどんな報いをしているのだろうか。

「報い………そうですね、部屋の掃除と薬の調達、後はエトセトラ……そんなもんだ。」

「エトセトラに重要な意味がありますよね………まさか、報復という名の他の女子をベッドに誘い込んで………。」

「阿呆、そこまで飢えているか。……そんなに気になるのなら今度覗いてみるといい、それはもう愉しいぞ。」

くつりと笑って愉快そうに口角を吊り上げる法正、保健室というのは優しさと安らぎを与える場ではなかったのだろうか。色気と鬼畜を含んだこの空間でとんだ修羅場を目にしそうだ、ななしは痛む身体を擦りながらゆっくりと目を閉じた。




(そう言えば、声って外に漏れてたりしますよね……)

(貴女の為に前もって防音にしておきましたよ、安心してこれからも鳴くといい)

(安心出来ません、物凄く怖いです)