My agate
[1/4]
スターレスでのバレンタインは、キャストへの投票の意味の方が強い。
けれども私にとっては、ずっと返したかった告白の返事をするという
とても大事な意味合いの方が強かった。
それはメノウさんにとっても同じだったようで…
「少し焦れていた所だったから本当に嬉しい…有難う」
本当に嬉しそうにそう微笑むと同時に、飢えて仕方がない気持ちが、熱が
優しく噛みつくように触れてから、すぐに存分に味わわれていってしまうような
深いキスから窺い知れた。
「はっ…んんっ……ぁ」
後頭部を右手でしっかり掴まれて、腰は強く左手でメノウさんの方へ引き寄せられている。
時々呼吸をする間を作ってはくれるが、止まれないんだろうメノウさんの熱で
口内が容赦なく犯される。
吐息と共に漏れ出る声と、水音が部屋に響く。
それだけでなく内にもこもる淫猥な音に、思考がかき乱されていく。
もう誰もいないとは言っていたが、もし誰かが来たらという思考は
まだなんとか頭の片隅に残っている。
「……めの、さっ…ふ、あっ」
ふいに離れていった唇には、自分の唇へと繋がった銀色の糸がきらめいている。
甘い眩暈を引き起こしてそのまま気絶してしまいそうな興奮と、疼いて仕方ない下腹部。
はしたなく身体がその先を求めてしまっているのがわかる。
そんな感覚に浸っている内に、首元のボタンが数個外されていた。
近づいた唇の気配の次に首元にちりっとした痛みが走った。
首元にも、鎖骨にも、赤い印がつけられていった後、耳元にも口づけられ
熱い吐息が鼓膜を揺らす。
「!っっ……ま、それ…だめぇ…」
恥ずかしすぎるほど上擦った声にメノウさんがくすっと笑って
その言葉は告げられた。
「…勃っちゃった」
吐息たっぷりの囁きにどくんと大きく心臓が響いて
更なる切ないほどの息苦しさと同時に、腰に響いた熱でどうにかなりそうになる。
足にはもうほとんど力が入らなくなっていて
そのまま近くのソファにゆっくり押し倒されてしまう。
汗ばんだ額を撫でられながら、再び耳元へ囁きが落とされる。
「触ってみる?」
「っ、あ」
捕まれた左手がその熱へと連れていかれる。
手に触れられただけで感じてしまい身悶える。
心臓の音で意味が分からなくなりそうになりながら、一瞬が永遠かのような感覚に陥る中
固くなったその場所に触れる。
(すっごい大きいし熱い…こんな、こんなのっ…)
凄くいけない事をしているようで、でも確かに興奮してしまって。
流石にここで最後までする事はないだろうとはわかっているけれども感じる背徳感。
でも、場の状況よりも、好きな人の大事な場所に触れている背徳感の方が強い。
触らされているわけだけれども、段階が飛びすぎてて思考が追い付かない。
確かにメノウさんの意外と逞しい胸元とか、腕とかに魅力を感じてしまって
触りたいなんて思ったりしたことはあるけれども…。
しかもホールスタッフをしてても、舞台に立つ時でも
デフォルトかのように胸元を結構開けているわけで、そのワイルドさと
柔らかい雰囲気と、甘い顔立ちのギャップだけでもどうしようもなくなる。
手に力が入り、指がこすれる形になる。
「っ……」
ぴくっと反応し、息をつめたメノウさんがそれはもういやらしくて
完全に言葉を失う。
「……―ちゃんのえっち」
そして吐息たっぷりに少し低い声で意地悪い爆弾を落とす。
「?????へ、ええっ…んっ!?」
情けない叫び声を出しそうになった私の口をすぐさま塞ぐ。
もう無理。もう無理。許してほしい。
「ねえ、片足を立ててもらってもいい?」
「は、はい…」
震える声で、いつの間にか流れていた生理的な涙を拭われながら片足を立てる。
するとそこに先ほど触れたメノウさんのものが擦り付けられ
びくっと大袈裟に反応してしまう。
「ふっ…あともう少しだけくっついていようね」
もう無理なのに、再び唇が塞がれて、深く絡み合って囚われる。
「来月は僕を君にプレゼントするからね…楽しみにしてて」