しあわせの代償(2/2)


 地球経済圏の一つである"アーブラウ"。アーブラウ防衛軍の軍事顧問となった鉄華団は、地球支部を設立してその任にあたることとなった。
 アストンは地球支部への辞令を受けた。団員は大部屋で、複数人まとまって寝泊まりしている。一つの簡易ベッドがアストンの寝床で、イサリビでの生活と変わりなかった。変わったことといえば、食事である。地球には広く海があり、海産物が豊富であることから、時折食卓に魚が並ぶのだ。
 アストンと同じく地球支部配属となった一人が、タカキ・ウノ。妹を連れているので、地球支部の寮とは別に集合住宅の一室を借りていた。
 アストンは時折、ウノ兄妹の家に呼ばれて晩御飯をともにし、そのまま泊まる。世話焼きな兄妹とともに過ごすのは、アストンにとって心地良いものだった。
 タカキの妹のフウカは、幼いながらも器用で料理も上手く、頭もいい。フウカは学校に通っているので、よくリビングで課題をこなしている。アストンが見ても、到底わからないものばかりだ。文字はなんとなく読めるようになっていたが、勉強となるとまた違う。
 そのため、フウカが頭を悩ませていても、アストンに出来ることはない。それはタカキも同じだ。

「姉貴がいれば、分かったかもしれねーけど」

 ぽつりとアストンが呟けば、タカキはなるほどと頷いて、フウカは首を傾ける。

「アストンさん、お姉ちゃんがいるんですか?」
「いや、"姉貴"はアダ名だ」

 同じアルトランド姓ではあるが、それはブルワーズから鉄華団に保護された際に昭弘から与えてもらったものだ。血の繋がりは一切ない。
 妹という立場のフウカは、アダ名であれ姉と慕われる存在に興味を持ったらしい。アストンとタカキに、どんな人物かと問いかける。

「頭が良くて、何でも知ってるんだ。俺らもずっと助けてもらってる」
「どこで勉強したんだろう。アストン、聞いたことある?」
「あそこは海賊だったからな、色んなものが手に入る。廃棄されるデータとかの管理もさせられてたから、それでって聞いてる。元から文字は読めてたらしいし」
「ねえ、今度呼んでみない?フウカも会ってみたいだろ?」
「うん!会いたい!」

 フウカが目を輝かせて頷く。タカキだけではなくアストンも、その期待に応えてやらねばと思った。





「前に言ってた、姉貴」
「……ロアです」

 アストンの紹介に少しばかり不満そうな顔をして、彼女はフウカに名乗った。
 ヒューマン・デブリよりも下であると考えているロアにとっては、"姉貴"呼びは気に入らないらしいのだ。面と向かって"姉貴"と呼ばないのは、ブルワーズでの暗黙の了解"だった"。
 アストンらがロアを姉と呼ぶそもそもの理由は、名前を知らなかったからだ。ロアは名乗りたがらなかったし、お互いにゆっくり話す時間は許されていなかった。アストンがブルワーズに入った時には既にそう呼ばれていたので、ロアが思いつきの意地悪で名前を伏せていたわけではない。
 ブルワーズ幹部に名前を呼ばれたくない、というのはアストンにも理解できるので、追求するつもりはない。
 今は、彼女がロア・アルトランドであると知っている。
 が、しかし。アストンもアルトランドで、他にもアルトランド姓を名乗る元ヒューマン・デブリがいる。
 本当に姉になったのだからいいじゃないか、とアストンらは開き直り、今となっては面と向かってロアのことを姉貴と呼んでいる。
 ロアも諦めているようだが、"姉貴"と紹介されるのは遺憾なのだろう。

「フウカです!はじめまして、ロアさん!」
「ご丁寧にありがとうございます」
「ゆっくりしていってくださいね」

 フウカはにっこり笑ってキッチンに入り、兄のアストンと一緒に夕飯の配膳を始めた。
 ロアの来訪は前もって伝えていたので、四人分の食事がテーブルに並ぶ。いただきますといつものように手を合わせるアストンらに一拍遅れて、ロアも手を合わせた。
 落ち着かなそうに食事をするロアに、アストンは頬を緩めていた。少し前の自分を見ているようで恥ずかしくもあるが、自分が今この家に馴染んだように、ロアもウノ兄妹に絆される未来が見える。
 対面に座るタカキとフウカも同じことを思っているのだろう。兄妹は顔を見合わせて微笑んでいた。

「ロアさんは、お医者さんなんですよね」
「鉄華団でそういう役割ですが、ちゃんとした勉強をしたわけでもないし、もちろん正式な免許もないです」
「独学でお医者さんって、すごいですよね。尊敬します」
「…………大したことでは、ありません」

 ロアは褒められると、途端に苦い顔をする。フウカがそれにきょとんとして、それからくすりと笑った。
 アストンはスープを飲みながら、これではどちらが年上が分からないなと小さく笑う。
 アストンにとってロアが頼れる人物であることは明らかだが、同じくらい危なっかしいのだ。
 鉄華団に入ったからこそ、そう思うようになったのだろうと感じる。
 鉄華団所属の女性陣――アトラやクーデリアやメリビットは、守られる立場にある。アストンを含む阿頼耶識持ちのパイロットが周囲にいるのだから、そうなるのは自然なことだ。ロアも彼女らと同じ女性なのだと認識したのは、鉄華団に入ってからだ。
 ロアは阿頼耶識こそ持つが戦闘に出たことはなく、豊富な医療知識は頼りになるが肉体的には弱い。ロアは本来、守られる立場の存在なのだ。
 侮辱ととられるかもしれない。けれど、"ロアだから大丈夫"だと無意識に信じていたアストンにとっては、ただ純粋な驚きだったのだ。
 タービンズの優秀な女性パイロットたちは、また別として。

「ロアさん、お料理はお口に合いますか?」
「あ、はい。美味しい、です」
「良かったぁ。おかわりあるので、たくさん食べてくださいね!」
「はあ……」
「ふふ、賑やかになって嬉しいなあ。ね、お兄ちゃん!」

 笑いあうウノ兄妹に、ロアは内心ひどく困っているらしかった。
 アストンに助けを求める視線が寄越されたが、アストンは素知らぬ顔で食事を進めた。




 ウノ宅を出ると、すっかり日が暮れていた。
 今夜、タカキは寮に戻らないので、アストンとロアの二人で夜の街を歩く。
 本日は天気が良く、夜空には雲一つない。仲間と同じ名前をした月も良く見えていた。

「優しい兄妹だな」

 とても小さい呟きだった。ただの独り言のようだったが、アストンはあえて会話にする。始終、フウカの笑顔にたじたじだったロアが物珍しかったのだ。
 
「ああ。俺のことも家族みたいに扱ってくれるんだ」
「……泊まらなくて良かったのか」
「いつも泊まってる訳じゃないし、姉貴もいるし。姉貴、帰りたそうだったから」
「……分かりやすかったかな」
「さあ?同じくらい、楽しそうだったぜ」

 ロアが不安そうに視線を落とす。だがアストンが笑っていることに気付くと、アストンの頬をぺちりと叩いて抗議してくる。
 あの空間は、優しくて温かくて幸せだ。鉄華団の団員はみんな家族だけれど、本当に血のつながった家族らしい遠慮のなさや通じ合いは、やはり少し違う。ブルワーズから鉄華団に移った当初も環境の温度差に狼狽えたものだが、ウノ宅はその上を行く。
 長い間、ただ道具として使われてきたアストンたちにとって、温かい空間は衝撃なのだ。

「アストン、生意気だ。かわいくなくなった」
「そうか?変わってないだろ、別に」
「生き生きしてる。今の方が、いいと思う」
「……そうかな」
「うん」
「なら、姉貴もきっと変わったんだ。髪も伸びたしな」
「……かもな」
「絶対」

 アストンは大きく伸びをして空を仰ぐ。
 最近荒事が少ないとはいえ、明日も仕事だ。訓練だって欠かせない。自分の命を投げ打つのではなく、何かのために――タカキやフウカの為に腕を磨くのは、とても気分が良いのだ。あの仲のいい兄妹が、平和に地球で暮らせるようにと思うと、重労働だって苦ではない。
アストン自身も、ウノ宅を"帰る場所"だと思っている。
 
「アストン」
「んー?」
「……私も、今夜は楽しかった」
「だろ?」

 渋々認めたような口調がおかしくて、アストンは短く笑う。ロアは不満があるのではなく、自分がそれに相応しくないと思っているから厄介なのだが、今回はさっさと折れてくれた。ブルワーズを離れてから人間らしくなっていることを実感して、我がことのように嬉しくもある。
 もう少しからかってやろうか、とロアを見る。ロアは、アストンが思ったような渋い顔や照れ臭そうな顔はしておらず、今まで見たことがないくらい穏やかな笑みを浮かべていた。





 アストンは少ない食事を終えて、憎らしいくらい晴れ渡っている空を見上げた。
 臨時キャンプの、自分のMSの上だ。ここしばらく寝泊まりはテントで、ウノ宅に足を運べていない。くすぐったいくらい温かい家とフウカの作ったシチューが無性に恋しい。

「……楽しくねぇなあ」

 鉄華団とアブーラウ防衛軍は、SAUとの戦闘を続けていた。
 きっかけは、アーブラウ防衛軍設立式典での爆破テロだ。アーブラウ首長である蒔苗東護ノ介と、アーブラウの軍事顧問であり鉄華団地球支部代表、チャド・チャダーンが意識不明の重体で入院。テロを指示したとされるSAUとの紛争に発展した。
 アストンはMSから降りて、テントに向かって歩く。点々と少年たちが数人で集まり、億劫に食事を摂っている。
 開戦直後こそチャドの仇を取るべく勇んでいた団員らだが、日に日に闘志が薄れていた。
 一つは、仲間たちの死。長引く戦闘で、死者の数は増えるばかりだ。アーブラウ防衛軍との共同戦線だが、戦闘慣れした鉄華団員が前線を務める場面が多いので、どうしたって鉄華団の戦死者が増える。
 もう一つは、オルガとのコンタクトが十分に取れていないことだ。テイワズからの地球支部監査役であるラディーチェが、火星にいるオルガの言葉をアストンらに伝えているものの、中々奮い立たない。地球支部の団員らで頭をひねり、現状を維持するのが限界だった。
 また、"目標が見えないこと"も疲弊していく一因だ。自分たちが戦っている理由と、この戦闘で得られるものが不透明なのである。
 それでも地球支部の少年たちが立ち止まらないのは、否応なしに巻き込まれて死んでいった仲間を無駄死ににしないためと、「チャドのいない地球支部を任せる」というオルガの信頼に応えるためだ。ただ、これもラディーチェから聞いた言葉で、オルガの声で地球支部団員に届いたわけではない。
 アストンがテントに入ると、難しい顔のタカキが食事を摂っていた。

「タカキ、どうだった」
「チャドさんの意識はまだ戻ってないって……」
「団長からの指示は?」
「相変わらずだよ」

 チャド不在の地球支部を仕切っているのがタカキだ。疲労している団員を励まし、自らも前線へ出ながら作戦立案も行い、アーブラウ防衛軍指揮官のガラン・モッサとの打ち合わせも行い、一番疲弊しながらも、一番働いている。

「……俺が頑張んないとな。団長は俺を信頼して、ここを任せてくれてるんだから」

 アストンは眉を寄せた。タカキは、ラディーチェのもとから戻って来るたびにそう言う。
 おそらく、この戦闘への疑念を最も募らせているのもタカキなのだ。アストンがラディーチェへの不信感を口にするとすぐにたしなめるけれど、まるで自身に言い聞かせているように聞こえるのだ。

「……いい加減、直談判すべきじゃねぇのか」
「直談判?」
「団長と直接話そう。通信が出来ない訳じゃないんだから」
「……ラディーチェさんを、信じないってこと?」
「そうは言ってない……けど、そうかもしれない。分かってるだろ、死に過ぎてるんだ。それに……その様子だと、姉貴にも会えなかったんだろ」
「……うん」

 数日前、キャンプで負傷者の手当てや炊事にあたっていたロアの姿が見えなくなり、探し回ったところ、ラディーチェからロアの入院を知らされた。過労で倒れ、入院を余儀なくされるほど衰弱しているらしい。
 アストンがラディーチェを信じられなくなった決定的な出来事がこれだ。
 炊事や救護をこなすロアが消耗していたのは事実だろう。阿頼耶識持ちとはいえ、倒れてしまっても驚かない。過労で入院というのも可能性としてはあり得る。アストンらが前線にいたせいで知らない内に搬送されていることもあるだろう。ラディーチェにしか伝言できない状況も、あるかもしれない。
 けれど、アストンはロアが"仕事で倒れない"と知っている。救護の人数が足りていないからこそ、自分が倒れないように最低限の休息を確保していたことを、ちゃんと知っているのだ。
 
「でも……でも、もうすぐ終わるはずなんだ。ガランさんもそう言ってた。ここさえ乗り越えられれば、団長に連絡を取ったり、チャドさんやロアさんのお見舞いにも行けて……家に帰ってご飯も食べられる」
「……」
「ねえ、アストン。アストンの気持ちも分かるけど、俺は、誰かを疑ったりするのが嫌なんだ。……あと少しだけ、俺と一緒に戦ってよ」
「…………分かった」

 いくらラディーチェを信じられないといえど、戦いから逃げるつもりはない。アストンはブルワーズ時代からのパイロットで、鉄華団内でも重要な戦力なのだ。タカキを前線に送り出し、自分だけキャンプに残るなど出来ない。
 『あと少し』の戦闘で死んだら意味がないだろ、とは言わなかった。



「この戦いで最後だ」

 ガランが笑顔で言った言葉は、厄介なクスリのように思えた。
 意義の見えない紛争が勃発してから早ひと月。分かりやすく示された吉報に、少年兵たちは歓喜した。チャドやロアの容態は不明なままだが、戦闘さえ終われば、死んだと思っていた仲間たちもケロリと起き上がって復帰するような気さえした。
 最近の消沈した様子とは打って変わって、嬉々としてMSに乗り込む団員の姿は、アストンに不安を抱かせた。一方のアストンは、ガランやラディーチェに懐疑的だったため、ガランの言葉に浮かれることもなく冷静を保てていた。
 浮かれているのはタカキの方だ。アストンは、タカキがうっかり敵の前に飛び出さないか気が気ではなかった。
 事態が急変したのは、戦闘中、SAUの機体ではなく、ギャラルホルンのMSと遭遇したときだ。彼らはSAUからの依頼で調停に来たといい、アストンらに撤退を命じた。アストンとタカキは狼狽えたが、鉄華団と敵対関係にあるギャラルホルンの指示を聞く訳がない。
 後から思えば、完全に冷静さを欠いていた。アストン自身も少なからず"ドラッグ"に影響されていたらしい。
 彼らの言葉に構わず臨戦態勢をとったアストンらを正気に引っ張り戻したのは、しばらく聞いていなかったロアの声だった。

『これは団長の意思じゃないんだ』

 迅速に確認すると、対峙しているギャラルホルンのMSから届いた音声だった。続けて、コックピットのモニターに小さなウィンドウが出現する。コックピット内映像と思われるそれには、金髪のパイロットと、彼にもたれるように座るロアの姿があった。
 タカキにも同様の通信が来ているのだろう、『ロアさん!?』という声がアストンにも届いた。
 
『分からないことが多いけど、少なくとも、団長はこの紛争に関係してない。私が直接連絡して戦闘のことを伝えたら、すぐ地球に向かうと言ってくれた。ギャラルホルンの人は、ラディーチェから逃げた私を保護してくれたんだ。お願いだから、ここは退いてほしい』

 ロアの声は聞いたことがないほど切羽詰まっていた。敬語ではないことからも、いかに焦っているか伝わる。
 アストンはハンドルを握りしめた。アストンもラディーチェを信用していないが、ロアが脅されているという可能性も捨てきれない。敵対組織(ギャラルホルン)には何らかの思惑があり、ロアを使うことで鉄華団地球支部を掌握しようとしているかもしれない。ラディーチェとギャラルホルンが繋がっていれば、それも可能だ。
 アストンもタカキも、どうするか決めかねていた。ギャラルホルンを信じて撤退するか、戦闘を続けるか。
 ウィンドウの中で、ロアが声を上げた。

『この機体は、アストンのだろう!彼ら(ギャラルホルン)の言葉はともかく、私のことも信じられなっ……信じられなくてもいいから。今は、どうか退いてほしい。団長たちがきっと来てくれる』
「……」

 アストンは回線をオープンにし、映像も繋げた。アストン側のコックピット映像を見たロアが、安堵したのが分かった。アストンは深く息を吐いて、臨戦態勢を解く。

「俺は信じる。姉貴が俺らをはめるわけないしな」

 ロアとはブルワーズの時からの仲なのだ。彼女を信じずに、仲間だなんだと言いたくない。
 アストンは、まだ迷っているらしいタカキに声をかけた。

「タカキは?」
『驚いてるのもあって、正直、俺は信じきれない』
「姉貴は、ボコボコにされてもクーデリアさんのフリをし続けたくらいだぞ」
『そうだった……そうだったね……』

 タカキのMSも武器を下ろし、警戒を解く。
 ロアから『もう一機は、タカキさん、だったんですか……』という硬い声が聞こえ、アストンはおよそ一月ぶりに笑った。




 アストンとタカキがロアに説得されてすぐ、三日月が搭乗したバルバトスが到着した。団長らも地球支部におり、停戦とラディーチェ拘束に動いているとのことだった。
 また、ロアとMSに乗っていた金髪の男が鉄華団と以前から秘密裏に協力関係を築いていたことも知らされた。そんな馬鹿なと思ったが、お互いがMSに乗ったまま気安い会話を繰り広げているのを見ると、確かに交流があったのだろう。ひょっとすると、ロアもそのことを承知で金髪の男を頼ったのかもしれない。

「は?ロアそこにいんの?なんで?」
「ラディーチェという男の所から逃げてきたところを保護したんだ。君たちに話を聞いてもらうために、こうして協力してもらったのさ」
「ふうん……ありがと。じゃ、ロア返して」
「分かっている。でも君は右腕の麻痺があるんだろう?そちらのパイロットに引き渡そうか」
「平気だから俺に渡して、はやく」
「分かった、分かった」

 それぞれのコックピットが開き、金髪の男とロア、三日月が対面する。三日月は手を伸ばしてロアを急かしていた。
 アストンは移動するロアを呑気に眺める。必要がないと分かり、頼りになる仲間の無事が確認でき、鉄華団最強のパイロットの存在が近くにある今、幾分か気が抜けていた。
 アストンらが地球支部へ帰還すると、火星から到着した仲間たちに迎えられた。事態の収拾に向けて動いており忙しなかったが、不思議と息がし易かった。

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