あとがき


 詳しめの人物紹介と、今までできなかった能力関連の話をします。V騎士登場人物の名前が出てきますので、V騎士知らない方は雰囲気でお読みください。
 長いですがよろしければお付き合いください。


↓ここから基礎知識です。読まなくてもいいです。

〜V騎士知らない人向け・ざっくりV騎士世界観紹介(自己解釈含)〜

吸血鬼の位:始祖(実は始祖な枢、錦)>純血種(閑)>貴族(まりあ、雪)>一般>元人間

人間を吸血鬼にする方法:純血種が人間に牙を立てると吸血鬼になる。元人間の吸血鬼はいずれ血に狂って滅びるが、ごく一部は元人間を完全な吸血鬼にする方法を知っている。

純血種がどれだけ特別な存在か→数がとても少ない。貴族階級の吸血鬼がざわざわして膝をついて「純血の君……」「本日も麗しい……」ってするほど。派閥はあるものの陶酔している。吸血鬼たちの王であり、血縁関係でない吸血鬼に対しても命令することが可能。吸血鬼たちは純血種を尊ぶようにできている。

寿命とか
元人間→いずれ滅びる(レベル:Eと呼ばれる)。心臓、首、頭など潰されれば死ぬ。対吸血鬼武器だとどこでも急所。
一般→作中に詳しい記述はないものの、数百年は生きると思われる。心臓、首、頭など潰されれば死ぬ。対吸血鬼武器だとどこでも急所。
貴族→千年程度は生きると思われる。心臓、首、頭など潰されれば死ぬ。対吸血鬼武器だと斬られかた/撃たれかたによっては死ぬ。
純血種→永遠に近い寿命がある。千々の肉片となっても死ねない。対吸血鬼武器だと死ねる。血肉には特別な力があるが強力すぎるので、人間が摂取すると逆に侵されてしまう。

人間VS吸血鬼→始祖が生きていた時代の戦争。人間を同族に引き込んで軍勢を作る始祖と、人間を守るために対吸血鬼武器を開発して戦った始祖(枢、"彼女")に分かれた。

↑ここまで


▼橙茉錦
 ミス・ドライアドという呼び名なのは、吸血鬼純血種の名字には全て植物が入っているから、という裏設定。
 実は成人女性。年齢は覚えていないが千年は最低生きている。「年齢四桁」とか喋っていたのは決して嘘ではない。諸々の感覚が人間とは異なる。
 純血種であり、始祖の一人。つおい。分身は白い小鳥。
 純血種同士の戦争の際、枢ら側(人間側)についたものの、"彼女"の死がきっかけで戦線離脱し隠居する。彼女がいたからこそ動いていた面があり、傲慢な同族を見限ることに抵抗はなかった。けれども、彼女の遺志を継がないことと枢らに対する後ろめたさがあったため、はぐれた眷属を見つけたときは「子育ては戦場に戻らない理由になる」と考え「罪悪感を流し消す」という意味で雪と名付ける。
 「人間=餌」な過激派ではないものの、人間は弱者であり吸血鬼が能力的に優れているという認識は根底にある。
 他の純血種の例に漏れず、自分のテリトリー外には無関心で気まぐれなところがある。その分身内への愛は重い。かつて人間を愛したことがあったかもしれない。
 決して博愛主義ではない。

▼橙茉雪 すすぎ
 ほんもののこども。見た目は幼く吸血鬼としては赤子同然だが、人間年齢だとそれなりに生きている。
 橙茉の血を引く貴族階級。名前は錦に新しくもらったもの。恐れ多くて橙茉は名乗れない。錦のひ孫あたり。
 始祖ということに敬意を込めて、錦様ではなく橙茉様と呼んでいる。
 誘導洗脳の能力持ちで、非常に強力。自分ではコントロールが効かず、周囲に影響が出すぎて村にいられなかった。純血種の中でも始祖にはさほど影響しないらしい。

▼諸伏景光
結局、娘の正体は分かっていない。人間じゃないんだろうなーの認識から宇宙人まで格上げした。若干思考停止している。
一番愛情を注がれている。そこそこ自覚もしている。

▼黒羽快斗
この世には種も仕掛けもない不思議な現象があるのかもしれない。

▼小泉紅子
唯一、正体を知った。これからは魔女の他に「吸血鬼始祖の棺の番人」というとんでもない役目を負うことになる。


*魔術って何
当然のように出て来てますが、魔術に関してはオリジナル設定です。V騎士でも「術式」という言葉が出てくるので、魔術的なものもあるだろうな、という認識です。


*能力について
普段は中身→始祖、肉体→貴族なので、V騎士における「紅まりあ(中身→純血種、肉体→貴族)」を参考にしています。

@純血種は、血縁のある吸血鬼に憑依(?)することが出来ます。

A基本能力は肉体のものです。まりあで言うところの、鳥類への命令と視覚共有。錦だと洗脳や誘導がそれにあたります。パパママの変装道具のおまじない、人の目の誤魔化しも、中身ではなく肉体の能力なのであまり制限なく使用できます。

B一部で中身の能力も使用できます。まりあで言うところの空中浮遊(?)。編入時に教室の机をトントン飛んでたアレです(滞空時間長いだけなら貴族でもできるのかなとは思います)。錦の場合、明美さんを連れての家までの瞬間移動などなど。錦は、中身が純血種の中でも上位の始祖という存在なので、紅まりあ(in閑)よりも使える能力の幅は広めにしています。ただし体力消耗が激しい。

C始祖ができることとは?という話なのですが、枢を参考にしています。つまり何でもできます。無機物への干渉から肉体変形(使い魔への変化や肉体時間の巻き戻し)、空中浮遊(枢がハンター協会襲撃時に浮いてた)、瞬間移動(枢が優姫を家に連れ戻していたので自分以外も移動可能と判断)などなど。
 明美さんが埠頭で負傷した時も始祖パワーを使ったので、消耗が大変激しかったのです。エネルギー的に怪我の治癒と長距離移動は難しかったため、錦が流れ出た明美さんの血を飲んでエネルギーチャージ→始祖の力で傷を塞いだ(他人の傷の痛みをとる描写はV騎士でありましたが治す描写は無かったので、相当難しいこと/通常は出来ないこととしています)という設定。


*力の充電について

 序盤で凌の生気を奪い、生肉で血液補充していますが、ここでも明かせてない設定があるのでご紹介。

@これは「愛君」でも使っている捏造設定ですが。吸血鬼は「牙の生えていない頃は身近な吸血鬼から生気をもらって生きる」という公式設定があるので、一方の人間は「生気を奪われるように出来ていないので、子吸血鬼が満足するだけの生気を吸われると気絶する」ということにしています。凌が序盤で数度気失っているのはそのためです。

A凌から生気をもらわなくなったのは、働いている凌を気遣ってのこと。しばらくは草木から少しずつ生気を集めて生活したいましたが、どうにも間に合わないので生肉という選択をしました。

B生気でのエネルギー補給はあくまで「子どもの吸血鬼」の食事方法なので、成長するにつれて生気では補えない/スーパーの生肉程度では補えなくなってきます。いずれは正体を明かし、信用できる人間に協力を求めることになると思われます。(肉体は貴族なので、咬んでも吸血鬼にはならない)
 

*始祖の体はこれからどうするの?

 どうもしません。とんでもない緊急時には出動するかもしれませんが、目覚めた時の飢えのデメリットがあるので、輸血パックでもない限りは錦は本体に戻ろうとしないでしょう。
 錦は、吸血鬼化した人間を<レベル:E>に堕とさない方法を知っている(閑は知らなかった(恋人に"それ"をしなかったので)が枢は知っているっぽいので、純血種は知らないが始祖は知っているかもしれないと判断)としていますが、望まない人間を吸血鬼にしてはならない、という始祖の決まりを守っています。
 吸血鬼化を望まれればOKする可能性もありますが、吸血鬼VS人間の世界を知っているので……。

 ただし、寿命が始祖>>貴族(>>人間)でどうあがいても雪の肉体が本体より先に朽ちる、かつ、始祖の肉体を殺す方法が現状無いので、最終的には本体に戻ることになります。対吸血鬼武器でもあればまた違うのでしょうが。

 飢えは眠りの年数に比例すると考えられるので(超長期眠っていた枢の飢えから推測)、わざと数十年に一度は起きて、輸血パックぱくって飲んでまた寝る、なんてことをしているかもしれません。が、現在、ダイヤ本編で本体が登場する予定がないのでなんとも言えません。
 メモリーズを読むと、愛ちゃんが数十年睡眠周期生活している→数十年程度なら起床時の飢餓はそれほどでもない、と判断できますが……。うーん。

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