蘇生魔術について説明するにつれ、大広間の温度が下がっていく。粗方の説明を終えた頃には、刀剣男士たちは真顔か驚きの表情で固まっていた。こんちゃんに至っては気絶するのではないかと心配になるほどだった。それもそうだ、己の主が死んだり生き返ったりすると言うのだから。
わたしは感覚がおかしくなり始めている自覚があるので、命を投げうつマネはしないと鯰尾や骨喰に言ったことに嘘はないが、本当に自分の命を大事にしているかと問われると即答できないかもしれない。
わたしは凍った大広間を見回した。
「質問があれば受け付けるよ。わたしにとって当然になってしまって、説明していないこともあると思うから」
早速ひとつ手が上がる。隙間から顔をのぞかせたのは鯰尾だった。
「つまり、先程主の霊力が途切れたのは、本当に一回死んでいたということですか?」
「うん。大怪我をして意識が失くなったところを回復してもらっただけなら、みんなにも心配かけてないと思う。一分くらいわたしの存在が感じられなかったと聞いたから、一分くらい死んでたんだろうね」
「ドン引きなんですけど……」
次に手を挙げたのは今剣だ。
「あるじさまは ごじしんで ちゆができると いぜんおききしました。それなのに……その、しんでしまうのですか」
「自分での治癒が間に合わないこともあるけど、今回の場合、わたしは占星術師ではない役割で戦いに行っていたの。役割ごとに武器も防具も違うから、戦闘中に咄嗟に切り替えることは不可能なんだ。他の治癒魔術師が同行していたけど治癒が間に合わず死んでしまって、でも蘇生はちゃんとしてくれたという流れだね」
続いて大包平が手を挙げる。
「その一時的な死は珍しくないのか」
「既に片手以上の数は死んでいるかな。今後も死ぬことがあると思う」
少しの間を置いて、陸奥守が手を挙げた。
「……死んだ、とき、主の近くに治癒魔術師がおらん可能性は?」
「戦いに行くときは役割を決めて行くから近くにいるはずだけど、わたしより先に治癒魔術師が全滅したらどうしようもない。応援が来てくれたら蘇生されるけど……簡単に行けない場所だからこそわたしが行ってる場合が多いから、なんとも」
大広間の空気は軽くなるどころかますます重く暗くなっていく。今後のエオルゼア側世界への行き来に支障が出そうなほどだ。阻まれはしないと思いたいが、いい顔はしないだろう。 なんとかみんなに理解してもらいたい。どんな大怪我を負っても、何度死んでも、わたしが冒険者を辞めることは恐らくない。
「わたしが死ぬたびに心配をかけると思うけど、信じて待っていてほしい」
和らぐ様子のない全員の顔を見渡す。
「もしも本当にわたしが死んでしまったら、参謀殿に本丸へ来てもらうようお願いしておく。そうしたら、希望者は顕現を解いて参謀殿に運んでもらって、一緒に埋めてもらおうか」
最前列の秋田が眉を寄せ、引きつった呼吸をしたのが分かった。今にも再び号泣しそうなほど目がうるんでいる。
わたしなりに茶化したつもりだが、失敗したらしかった。