CrossFate 不撓不屈の騎士
フロック家の私兵から逃れ、目的地である隠れ里を目前とした森の中。
疲労困憊のメノウは、同じく疲労困憊の母親と、瀕死の近衛騎士と、通りすがりの若い騎士との四人で進んでいた。
メノウが<サー>と呼びかけている若い騎士は、明るい声で他愛ない話を続けている。単なる話し好きではなく、会話するのも億劫なメノウらを少しでも励まそうとしているのだろう。
故郷の話にはじまり、どこそこで採れる果物が美味しいだの、趣味で料理に凝っているだの、鍛練はともかく座学は苦手だの。ちなみに、<幼馴染のランちゃん>とやらは全てのトピックで登場する。よほど仲がいいのだろう。
メノウにとって、悪く言えばどうでもいい、良く言えば気を楽にして聞き流せる、他愛ない話だ。時々、思い出したように相槌を打ち、その瞬間だけ現実逃避をする。
よくもそれだけ話題が尽きないな、と感心し始めたころ。本音が口を突いて出た。
「わたしもまた、幼馴染とお茶したり出かけたりしたいなあ」
「オニキスちゃんも幼馴染いんのか!」
「よその国の人だから、そう頻繁に会わないけど……」
「どんな人?」
「頭が良くて剣も上手くて、気高い人。もう、家族以外ではシャルと彼しか信用できないな」
「……そりゃあ、さびしいなあ」
「……そうかもね」
寂しいかもしれないが、悲しいとは思わなかった。手ひどい裏切りにあって仲間や家を失うくらいなら、初めから関係を築かない方が良い。うわべだけの付き合いでも、生きていくには困らないだろう。
今、生き延びられればの話だが。
騎士は口をとがらせてうなり、芯のある声で言った。
「信用されてない俺が言うのもなんだけど。人に対する考え方ってさ、良くも悪くも、人と接することで変わると思うんだ。だから、オニキスちゃんが人間関係を良い方向に捉えられる出会いってのも、これからきっとある……あったらいいなって、俺は思う」
「……そこは、『俺との出会いで』って言う所じゃないの?」
「言いたいけどさあ。俺との出会いって、嫌な思い出と結びついちまうだろ。だから、また別の出会いがあるよ」
心身ともに傷だらけの状態では、現実味の感じられない話だった。世の中がそんなにうまく巡っているのなら、這う這うの体で逃亡することにもならなかったはずだ、と苛立ちすらした。
けれどメノウは、数年後、とんでもないお人好しが率いる騎空団に入団することとなる。
* * *
フェードラッヘに到着した騎空団一行は、王都を目指して進んでいた。
団長であるグラン、フェードラッヘの地理にも詳しいパーシヴァルが先頭だ。王へ謁見するのは一部の団員だが、大半の団員が王都を目指す。パーシヴァルの道案内は正確で、行進はスムーズだった。
ぞろぞろと団員を挟んで、メノウは列の後方を歩いていた。
「前とは違ってスムーズだなあ……」
メノウの斜め前を歩いていたティナが、しみじみと呟く。
ティナはメノウ不在時に加入した一人で、火属性魔法と回復魔法を得意とする団員だ。メノウとパーティーが一緒になることはないが、アンナを通じて仲良くなっていた。
詳細を聞こうとティナに声をかけると、別方向から全く同じ文句が聞こえた。
「『前とは違って』?」
「『前とは違って』?」
メノウと同様にティナの呟きを拾ったシャオと目が合う。メノウとシャオは、自然とティナを挟んで並んだ。
びくりと肩を跳ねさせたティナは、メノウとシャオを交互に見て脱力したように笑う。
「もう、びっくりした」
「わたしの台詞だよ」
「僕の台詞ですよ」
「だから、両サイドでおんなじこと言わないで」
同じ闇属性で、毒を扱うシャオと毒が効かないメノウは、メノウが騎空団に戻ってからの短期間ですっかり仲良くなっていた。狙ってユニゾンしている訳ではないが、不思議と発言が被るのである。加えて同じ種族(エル―ン)ということで、早くもセット扱いされ始めていた。
「前回は岬でヴェインさんと会って、王都まで案内してもらったんだけど……ヴェインさん、その、方向音痴みたいで」
ヴェインは、白竜騎士団に所属する騎士で、星晶獣シルフと真竜ファフニールをめぐる騒動の際、騎空団に深く関わっている。ルリアの管理するアルバムにもしっかり映っている男だ。
メノウも、騎空団に戻ったその日にアルバムをチェック済みだ。ルリアが「この方はヴェインさんって言って、」と写真を示した時点ですぐに気付いた。メノウらの命を救った若い騎士が、相変わらずの人懐こい笑顔で写真に写っていたのだ。
メノウの命の恩人は方向音痴で、王都に到着するのも一苦労だったという。
「すごく明るい人で……迷子になっても笑い飛ばしちゃうような」
「わははは! そういやパーシヴァルとは全然話したこと無かったもんなー!」
「そうそう、こんな感じの声とテンションで……あれ?」
不意に聞こえてきた声に三人で首を傾ける。
何やら先頭が騒がしく、メノウとシャオはくるりと耳を向けて会話を拾おうと試みる。注意深く会話を聞くメノウの横で、シャオが「おや? 噂をすれば影、ですね」と呟いた。
「……わたし、前に行ってくる」
「いってらっしゃい」
メノウが団員の間を走り抜けると、戦斧を持った青年がパーシヴァルと向かい合っているのが見えた。
戦斧を扱うだけあって体は大きいが、人懐こい笑顔のせいか威圧感とは無縁だ。仏頂面のパーシヴァル相手にも臆さず、グランやルリアやビィの頭をわしわし撫でている。
メノウは上がっていく口角を止められない。助走をつけて和やかな空気に飛びこみ、目を見開いている青年に抱き付いた。
あちこちから驚きの声が聞こえるが、メノウは構わずしがみつく。青年がこれ以上なく動揺しているのが分かり、しがみついたまま声を上げて笑った。
「な、な、何だあ!?」
「びっくりしすぎでしょ、サー!」
「びっくりもなにも俺のファン、んん? その呼び方は……!」
「んっふふふふ」
「……おいメノウ、離れろ」
「パーシヴァルこそばい!」
脇に手を入れられ、青年からはがされた。パーシヴァルの籠手が冷たいやらくすぐったいやらで、身をよじりながら抗議する。エル―ンの服装は基本的に布面積が少ないのだ。
メノウは、青年との間に入ろうとするパーシヴァルを押しのけ、期待に満ちた目を青年に向ける。青年は震える指でメノウを指さしていた。
「お、オニキスちゃん……?」
「正解! メノウでいいよ、サー」
「オニキ、じゃなくてメノウちゃんか! あ、俺はヴェインっていうんだ!」
「ヴェイン!」
「おう!」
あれから十年近い月日が流れているというのに、彼はメノウのことをしっかり覚えていたらしい。笑顔のメノウを見下ろして、雰囲気が変わったとじみじみ言う。メノウは目を逸らして謝罪した。
家を追われ、身近な者が傷ついていくことに疲弊し、身動きが取れなくなった時に声をかけてきたのがヴェインだ。ただし、ヴェインはまだ半人前の騎士だった。あの状況で、幼さの残る騎士を信頼しろというのも難しい。
二人で盛り上がっていると、ビィがにゅっと間に入る。目を逸らすメノウと笑顔のヴェインを交互に見て、怪訝な顔をした。
「知り合いなのかあ? メノウは前ん時いなかったよな?」
「わたしの家の没落騒動の時、助けてくれた命の恩人なの」
「お、重い事実をすげえサラッと……というか初耳だぞ。トサカの兄ちゃんは知ってたか?」
「俺は当時、遠征組ではなかったが。メノウから、黒竜騎士団に恩人がいると最近聞いていた。……が、それがこんな騒々しい男だったとは」
「……あれ? メノウはパーシヴァルと知り合いってことか?」
「んー幼馴染みたいな」
「あ、前に言ってた人か! 世間狭いな!」
短い会話でも、ヴェインがこの騎空団に馴染んでいるのが分かる。以前の騒動で協力したというし――アルバムにもしっかり残っていたし――お互いに緊張もないのだろう。
ヴェインには、話したいことが沢山ある。
あの時何が起こっていたのか、メノウはどういう立場だったのか。最近になって、ようやくちゃんとケリがついたこと。そして、ヴェインご自慢の幼馴染に助けられたことも伝えたい。
「盛り上がるのもほどほどにしろ。早くしないと日が暮れるぞ」
ため息をついたパーシヴァルが歩きはじめ、王都への行進を再開する。メノウもパーシヴァルに続いて歩き出すが、ふと振り返った。グランやルリアも、メノウと同じ疑問を持ったのか、自然と団員に混ざっているヴェインに問いかけていた。
「そもそもヴェインはなんでここにいたんだ?」
「そうですよね。お一人ですけど、お仕事の途中だったのでは……?」
「俺は遠征から王都に戻るところだったんだ。部下は先に帰してて、俺はちょっと寄り道。グランたちも、王都に行くんだろ? なんたって、ランちゃんの叙任式なんだからな!」
ヴェインは自分のことのように誇らしげだ。
一行は、絶好のタイミングでフェードラッヘに降り立ったらしかった。
* * *
大丈夫かフェードラッヘ。
グランが口元をひきつらせて言った一言に、メノウは頷かざるを得なかった。
星獣晶シルフや真竜ファフニール、先王の死をめぐる一連の事件が片付いたというのに、またフェードラッヘは危機に瀕していたのだ。
前回、一連の首謀者として投獄されていた執政官イザベラが、女騎士ガレスの手引きで脱獄し、ランスロットの叙任式の料理に一服盛ったのである。ヴェインが把握していた叙任式の日取りはダミーだったので、城に到着した時には、既にランスロット以外の全員がイザベラに操られているという状態だった
冒頭の一言は、狂気の笑みを浮かべるイザベラを見たグランの呟きである。
一行はパーシヴァルの機転で服毒せずに済んだが、イザベラを倒さないことにはフェードラッヘの危機は去らない。しかしひどい混戦状態で、体勢の立て直しが必要だった。
悪夢のような叙任式から地下通路で脱出した一行は、ヴェインの祖母がいるという村へ身を寄せていた。イザベラによる拷問を受けていたランスロットの療養のためだ。
ランスロットは、イザベラによる、拷問を、受けていた。
一行がランスロットを発見したのは城の地下牢であり、太い鎖で拘束されていたのである。
地下通路に現れた術式、ガレスの痣に、<幽世(かくりよ)>の力、傷ついた仲間や敵の手の内にある城の人々。考えるべきことが多く、村に着いてからも一行の緊張は解れない。
メノウは、やや強く閉まったドアに耳を震わせた。
一刻も早く王都へ戻り仲間を助けたいランスロットと、ランスロットの身を案じるヴェインと、頭を冷やせというパーシヴァルが衝突し、パーシヴァルが出て行ってしまったのだ。
「また、皆に迷惑をかけてしまったな……」
ベッドの上で、満身創痍のランスロットが言う。ヴェインがすぐに否定するが、居心地の悪い空気は覆らない。同じ空間にいるルリアやビィは小さくなっており、グランにぴとりと寄り添っている。
ランスロットの言葉は真っ直ぐで強く、対するパーシヴァルは辛辣だった。矛先が己でないにしても、メノウ自身も、怯えていないと言えば嘘になる。
メノウは閉まったドアを一瞥して、密かに深呼吸をした。
ぎこちない空気のまま、ランスロットを残してぞろぞろと部屋を出ていく。城にいる人々を助けたいのはもちろんだが、ランスロットの休息は必要なのだ。魔法で傷を治しても、疲労感や精神的な負担までは拭えない。
メノウは部屋を出てすぐ、大きな手に腕を掴まれた。振り向くと、きまりの悪そうなヴェインが頭をかいている。
「ヴェイン?」
メノウとヴェインだけが、ランスロットの部屋の前に残る。ランスロットを気遣って、お互い声は潜めていた。
「……あいつってさ、昔からああなのか?」
「あー……」
「俺だってランちゃんには休んでほしいけど、言い方ってもんがあるだろ。ランちゃんと副団長やってた時は話したことなかったから……まさかあんなヤツだとは思わねぇよ」
「パーシヴァルは素直じゃないからなあ」
「え、そんだけ?」
「厳しいところもあるけど、誰かを見捨てたりはしないよ」
ヴェインは不満そうに眉を寄せた。
メノウはヴェインの分かりやすい表情に笑うが、ふと考える。ヴェインの様子を見るに、パーシヴァルは騎空団員にも誤解されているのではないだろうか。パーシヴァルが入団したのは、メノウが戻る少し前だ。なんだかんだたくましいグランはともかく、他の団員からの信頼を得るには時間が必要だろう。
それはさておき。
こんなところで仲間割れをしている場合ではないのだ。メノウは、難しい顔をするヴェインを見上げた。
「とても気高くて、わたしが心から尊敬する人だよ。ああ見えてすごく優しいしね」
「まあ……俺も少し言い過ぎたけど……」
「気が立ってただろうし、仕方ないんじゃない? わたしも、イザベラは一発殴りたい」
「はは、手を痛めるぜ。俺が代わりにぶっ飛ばすから、援護してくれ」
「ボコボコにしてね」
メノウはぐっと拳を握る。出来るならばイザベラには奥義をお見舞いしたいが、城を倒壊させるわけにはいかないのだ。
ヴェインは笑って頷いたが、本気の目をするメノウに少しだけぞっとしていた。
「……そういう顔してると、オニキスちゃんだなって感じだ……」
「その節は大変お世話になりました。そういえば、もしかしてあの時、森で迷子になってたの?朝の散歩だーって言ってたけど」
「うっ……さ、散歩だ。ちょっと奥に入りすぎてただけ」
ヴェインがメノウから顔を逸らし、足早に歩き出す
メノウは緩む口元をおさえながら続いた。
* * *
イザベラとガレスは城の倒壊に巻き込まれ消息不明となり、フェードラッヘの危機は収束した。隣国ウェールズの兵が国境を侵そうするという予想外の事態も起きたが、単体で動いていたジークフリートが阻止し、事なきを得た。
ちなみに、城の倒壊は決してメノウのせいではない。
一行は、王都の復旧作業や王都警邏に協力するため、王都の宿に滞在していた。
「んでさー! ランちゃんって昔っから強かったから――」
メノウはある夜、ヴェインに食事に誘われた。ヴェインは白竜騎士団副団長という立場なので、当然多忙なのだが、騎空団の滞在期間が短いことを知り、時間を作ってくれたのである。
食事をしつつ、昔は話せなかったことや、ようやくケリをついたことを話す。以前の騒動のこともヴェインから聞き、比較的真面目な雰囲気だったのだが、いつの間にか話題は<ランスロット武勇伝>になっていた。
ランスロットの子供時代や新米騎士時代の話はとても面白い。一日の疲れが吹き飛ぶくらい楽しい。
「ランちゃんは甘いもの結構好きなんだけど、マカロンが最近のお気に入りらしくて」
「料理上手なヴェインは、まさか作っちゃったり?」
「作るぞ! お菓子レパートリーは大体ランちゃん好みの味かもな」
「ヴェインはいい奥さんになるよ……」
「俺はいい旦那さんがいいなあ。メノウも料理できないって訳じゃないんだろ?」
「人並みには出来ると思うよ、グランドブルーの調理当番とかあるし。ただお菓子類は作らないから」
「レシピ教えようか? 案外出来るもんだぜ」
「ぜひ!」
「じゃあ今度渡すな! あ、甘いものって言えば、ランちゃんって毎年バレンタインデーが大変なんだけど、」
「おい何の話をしているんだヴェイン!」
「ぐえっ」
いつの間にかヴェインの背後に立っていたランスロットが、笑顔でヘッドロックをきめる。ヴェインがテーブルを叩いて降参しても、ランスロットは力を緩めない。さらにその後ろでは、パーシヴァルが呆れた顔をしていた。
この飯屋は廉価で兵舎に近く、騎士団員もよく訪れるとヴェインから聞いていた。だが、こうもタイミングよく彼らと鉢合わせるとは思わない。一つのテーブルに、白竜騎士団団長と副団長、元黒竜騎士団副団長が集まるという豪華な顔ぶれになってしまった。
メノウはむせて涙目になりながら、パーシヴァルに片手を上げた。
「っけほ、パーシヴァルも、一緒なんだ」
「ああ、ランスロットに誘われたのでな。座っても?」
「いいよ。わたしたちは昔話してた」
メノウはヴェインを一瞥した。反りが合わないと思われた二人だが、いつの間にか打ち解けていたので大丈夫だろう。
「ランスロットの名が聞こえたが?」
「……ヴェインのレパートリーが多くって」
メノウとヴェインは四人席のテーブルに座っていたので、メノウの隣にパーシヴァルが腰掛ける。
メノウはパーシヴァルからのからかうような視線を無視し、ランスロットにも椅子を示した。
「まあ、そのくらいにして、ランちゃんも座っ…………うわあごめん……!」
メノウは即座に顔を覆った。ヴェインがランちゃんランちゃんと連呼したせいだ。名前を呼ぶことも一苦労なのに、愛称などレベルが高すぎる。自爆した気分である。
三方向から笑い声が聞こえ、メノウは再び謝りながら顔を上げた。ランスロットの顔は見ることが出来なかった。
「本当にすみません……」
「はは。そっちの方が呼びやすければ、それでもいいぞ」
「無理です」
「メノウもランちゃん呼びしようぜ。メノウは部下じゃねぇし大丈夫だって」
「そういう問題じゃない……!」
「ヴェインはいい加減普通に呼んでくれ」
「ランちゃんはランちゃんだろ?」
メノウは赤くなった顔を誤魔化そうと酒を飲み、ランスロットとパーシヴァルにメニュー表を手渡した。二人ともさっと目を通し、すぐに注文を済ませる。慣れているのだろう。
店員がランスロットとヴェインにねぎらいの言葉をかけながら、酒やら食事を運んでくる。注文よりも皿が多いような気がした。
四人で乾杯し、パーシヴァルとランスロットが酒を煽る。
「っはー仕事終わりの一杯は美味いな!」
「まだまだ山積みだろう」
「パーさん、そこは『お疲れ様』でいいんだって」
「その呼び方を止めろ、駄犬」
「いいじゃないかパーシヴァル、親しみやすさも大事だぜ」
「馬鹿にされているようにしか聞こえん」
「んもう怒るなよパーさん」
テンポのいい会話は気持ちがいい。付き合いも長いからなあと三人を眺めるが、ヴェインとパーシヴァルが出会ったのは――正確にはパーシヴァルがヴェインを認識したのが――最近だ。案外気が合うのだろう。パーシヴァルからは苦い顔をされそうである。
本当に世間は狭いなあと、メノウは一人で笑う。アルコールが回ってきているのか、ランスロットが同席しているにも関わらずリラックスしていた。
黒竜騎士団時代のそれぞれのエピソードやグランドブルーでの冒険譚、時折真面目な話も交えながら、あっという間に時間は過ぎていった。
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