*小説 info アネモネ


闇落ち


闇落ち -角砂糖バットエンドif-


「織くんそんな動かなくてい、から…」
腰を振って快楽を貪ろうとする織くんをそっと窘めようとしたが、織くんはそれをやめようとしなかった。
「だめ…」
切ない声で見上げられるとどうしようもなく煽られてしまう。
あの日から───あおに犯されたあの日から、織くんは変わってしまった。
「それじゃ足りない…」
背中に腕を回されぐっと強く引き寄せられた。
より深く入った中の締め付けに思わずぴくりと身体が跳ねた。
「もっと激しくして…」
お願いされて断ることが出来ず、ピストンを快楽を貪る為のものに変えていく。
「っ……」
「あっ、ああっ…そこ…!んっ…!」
喜びと悲鳴の混じった高い嬌声に思わず心が痛む。
なのに身体はどうしようもなく好きな人に興奮して、思わず力強い犯し方をしてしまう。
こんな風に抱きたい訳じゃないのに。
「零衣…っ、れい…」
「っ…織くん…」
2人で絶頂に導かれるような快楽が襲ってきて、そのまま唇を塞いで舌を絡めると、織くんはどこまでも嬉しそうにそれを受け入れた。
「んっ…あ…!」
「あぁ…!」
同時にイッて、ドクドクと精液が吐き出される感覚は不覚にも凄く気持ちよかった。
「織くん…」
優しく撫でてあげると織くんの身体がぴくりと強張った。
…そうやって、感情の無い目が時々自分を見てくることを知っている。
「ごめんね…」
思わず泣きそうになるのをぐっと堪えて織くんの体を抱きしめた。
織くんが優しくされるのを怖がるようになったのも、元を辿れば俺のせいだ。
「愛してるよ」
その言葉はちゃんと織くんに届いているだろうか。
撫でながらあまり嬉しそうじゃないその虚ろな目を覗く。
「もっかいしよ…?」
強請られて、中のものを引き抜かれると、んっ…と自分で声を漏らした。
それから、最近織くんが好きなバックの体勢に自分からなった。
前はバックなんて、得意じゃなかったのに。