隠せない驚き
はじまった二試合目、取って取られてを繰り返すけど音駒の守備力に徐々に開く点差。
相手の球が俺のところへ。レシーブは上がったがこれではトスが上げられない……!
「オーライ」
綾人さんがカバーに入り、ネットに背を向け走りながらトスを上げるモーションに入った。が、バックトスになってしまう難しい体勢だ。誰に上げるかと思ったところですでに動き出している人が二人。
「大地、」
「任せろ!」
まさかと思った。
セッターがレシーブを上げると、攻撃が単調になりがちだということは当たり前で、今回も正直そうなってしまうと思ったのに。それはきっと相手にとってもそうで、奇襲に成功した訳で。なんと速攻を決めたのだ。
「うん、成功。ナイス大地。旭もいい反応だったよ」
「大地ナイスキー!」
「綾人のトスも打ちやすかった」
大地さん、旭さん、綾人さん以外はポカンとしている。だってそこは普通、エースに頼る場面。ましてやあんな位置や体勢なら、俺だって速攻使うか迷うところなのに。
「待って下さい綾人さん!あんな難しい体勢から速攻使えるんすか?!」
「ん、俺昔セッターだったから」
……え?セッター?出会った頃にはもうミドルブロッカーだったはず。いつ、セッターだったんだ?じゃあ何故今ミドルブロッカーなんだ?
「まぁ色々聞きたいこともあると思うけど、まずは試合な。飛雄、翔陽、ちょっと」
確かに、今は目の前の試合に集中するべきだ。綾人さんから次の動きを聞いて、日向と二人で頷いた。絶対成功させてみせる。