ある意味似たもの同士

「お疲れ様でーす」
「あ、主将くん。お疲れ様です」


研磨くんと話してるとき、視線が痛いなぁとは思ってたけど、案の定声を掛けられた。

「同じミドルブロッカーとして、主将くんのプレーはすごく見応えがあって、勉強させてもらったよ」
「こちらこそ。うちに来てほしいくらいだよ。あと俺、黒尾鉄朗ね」
「鉄朗くん。俺は光川綾人」


ご挨拶を済ませたところで、大地が言ってた「食えないタイプ」ってこういうとこかぁ。なんて頭の片隅で思う。そういう大地だって多分そう思われてそうだ、なんて言ったら怒られそうだから絶対に言わないけど。


「もし綾人君が音駒だったらどう戦う?」

にやりと口角を上げてそう問う鉄朗くんに、俺は素直に頭を働かせる。もし自分があの守備力の高い音駒にいるとしたら。どんなプレーが出来るのだろうか。


「そうだなぁ。粘り強いプレーが得意そうだから、まずは相手の得意な形に持っていけないようにしたい。そのためには鉄朗くんと俺がブロックの司令塔になってとにかく壁を意識させる。それからレシーブ力で穴がないことを相手に植え付けて、“ 気持ち良く打てない ”と思わせるかなぁ。苛立ってきた頃に、シンクロ攻撃とか1人時間差とか、今日やってたやつに加えて、俺のトスからの速攻とかツーアタックとかお前ミドルブロッカーじゃねぇの?みたいなこと混ぜたらおもしろそう」
「……綾人くんの頭の中見てみたい」
「本当はもっとちゃんと練りたいんだけどね。ぱっと思いついたのはそんな感じ。止まらん」


一方的に話す俺に驚いた様子。飄々としてる鉄朗くんの新しい顔になんとなく気分が良くなる。


「まぁ今話したのは対烏野以外ね。うち相手で音駒として使える作戦は色々浮かぶけど内緒」
「食えないタイプここにもいる……」


わざとにこりと笑って見せて、「主将に似たみたい」と言えば呆れた顔で笑っていた。少しだけ仲良くなれた気がした。