そして、また

武田先生すごい。坂の下商店のお兄さんがコーチとして体育館に訪れた。まさか烏養監督のお孫さんだったとは。

そして町内会チームとの練習試合。チーム編成はどうしようか、というところで姿を現したのは、旭。
町内会チームへ旭、孝支、夕が入ることになった。

……俺も。


「あの、」
「ん、何だイケメン兄ちゃん」
「……俺も、そちらのチームに入ってもいいですか?」


どうしても、また旭と孝支と夕と、みんなと、バレーがしたい。怪我をしている身でいつもは別メニューをやらせてもらっている。試合も時間を限定して出ている。我が儘だってことはわかってる。でも、俺だって。


「綾人、脚は大丈夫なのか?」
「うん、無理はしないって約束するよ、大地」
「イケメン兄ちゃん、怪我なら無理するなよ。やばくなる前に交代しろよ」
「はい、ありがとうございます」


あぁ、またみんなでバレーが出来る。その喜びを噛みしめながら旭の肩をぽん、と叩く。


「おかえり」
「……綾人」


さぁ、試合開始だ。