なかなか勝ち越せねーな

今は所謂テスト週間。学校が終わって、家で一応問題集を開いてみた。シャーペンも持って、1問目はっと。


……無理無理無理、全然集中出来なーい!
勉強しようと思うと急に他のものに目がいっちゃう現象あるよね。今まさに俺は部屋に転がるバスケットボールに目を奪われたよね。

気分転換。バスケしに行こう。


この前見つけたストバスコート。あそこでちょーっとだけ身体動かしてから勉強する。うん、そうする。


ボールを片手に家を飛び出してコートへ向かえば、1人でドリブルをする見覚えのある姿があって。


「大ちゃん!」
「お!橙田じゃねーか」

持っていたボールを俺にパスしてきて、自分のボールを左手から離し、片手でそれを受け止めてそのまま俺はゴールに一直線。ふわりと手を離してネットをくぐらせた。


「彼女は?えっと、さつきちゃん!」
「だから彼女じゃねーよ。お前今日は1人なんだな」
「うん、まぁこの前も混ぜてもらっただけだし」


次は大ちゃんにボールを渡して、1on1。
そこからはひたすら2人で攻めて、守って、取って、取られて。バスケはやっぱりこんなにも楽しい。お互いのプレーを認めあって、それが少し悔しくもあって。


「やっぱ橙田にはなかなか勝ち越せねーな」
「いやー大ちゃんもキレッキレ!」
「もうだいぶ時間経っちまったな」
「やべ、気分転換のつもりだったのに」


日は沈みかけてて、俺達は思いのほか夢中になってしまっていたみたい。


「またやろうな」
「もちろん!」

どちらともなく拳を合わせてコートを後にした。