緊張しているのかい?

昨日に続いて今日もまた征十郎くんは俺に勉強を教えてくれるって。俺的にはすごくありがたいけど、毎日ってなったら征十郎くんが勉強する時間がなくなるのではないか。と思ったけどいっそ彼にはテスト勉強なんていらないのか……?という結論に至ったりもする。


「征十郎くん!おまたせー」
「オレも今支度が出来たところだよ」


教室に迎えに行って、声をかければ綺麗な顔で微笑んでくれた。


「今日はオレの家で勉強しようと思うんだけどいいかな?」
「え!征十郎くんの家?!」
「嫌かい?」


嫌っていうか、あの赤司家だよ?ってことは豪邸?!俺みたいな庶民は足を踏み入れていいのか?!


「それとも図書室にしようか?」
「俺が家行っていいの……?」
「歓迎するよ」


あれよあれよという間に赤司家訪問が決まり、何とも言えない緊張感に包まれる俺。それは校舎を出ても、門から出ても、赤司家へ向かう道のりでも解けることはない。待ってネクタイ締め直した方がいいかな?清潔感大丈夫?馬鹿っぽい顔してないか?


「緊張しているのかい?」
「うん、まぁ……してる」
「父は仕事でいないし、気楽に寛いでくれたら良いよ」
「うーん、あぁ、うん」


そういうことではない。征十郎くんは俺を気にかけて言葉をかけてくれるけど、本当にそういうことではないのだ。でも折角友達が家に招いてくれているんだから、喜ぶべきだ。うん、そうだ。

「会って3回目じゃん?なのに招いてくれるんだね」
「もっと親交を深めてから誘った方がよかったかな?」
「いや、そんなことはないけど、嬉しいし」
「橙田は図書室での居心地が悪そうだったからね」


あ、だからなのか。確かに視線が痛いだの何だの訴えた。それを気にして征十郎くんは……


「なんて出来た男なんだ赤司征十郎!」


勢いで握手を求めて両手で握りしめる。思ったよりもその手は大きかった。