やばいやばいやばい。
やってしまった。
咄嗟に、でも冷静を装って体育館を出て、角を曲がったところで急に足の力が抜けた。
いつも部活でのことを楽しそうに、時には悔しそうに俺に話してくれるテッちゃん。その姿を見て、あぁ本当にバスケが好きで真剣なんだなって感じていたし、それが嬉しくもありちょっと羨ましくもあった。
そんなテッちゃんのことを馬鹿にされて、お前に何がわかるんだって思ったら頭に血が上った。ボールを投げる手を止められなかった。
喧嘩はしたくなかったからじゃあバスケでって言った自分に一瞬「やばいよな」って何となく冷静に考えたけどそこで引きたくなかったし、努力してる人を馬鹿にする人が俺は嫌いだ。だからどうしてもそれを伝えたかった。
そして全てを言い切った瞬間にスッと頭が冷静さを取り戻して、取り返しのつかない事をしたと気付いた。
それは焦りに変わり、後悔になった。
「橙田くん……、」
あぁ、ごめんねテッちゃん。