「予想以上すぎ!カケル、学校どこ?!」
ひとしきり動いて、そろそろ帰るかーなんて言いながら、バスケに混ぜてくれたお兄さん達が「よっぽど強豪校にいなきゃもったいないぜ?」って俺に問う。言いづらさに口ごもりながらも答えない理由はないし、別に本当のことを言えばいいし……
「帝光中です、バスケ部じゃないですけど」
響き渡る「えぇぇ!」が俺の鼓膜を刺激して痛い。帝光中通っててバスケ出来るのに何で部活に入らないんだって、それはごもっともな疑問である。
「チームに入ったりしたくなくて、それにバスケは楽しいからやってるだけだし、練習も試合も好きだけど、それが部活に入る理由にはならないっていうか……」
妙に言い訳がましくなってしまって、でもこれも本当のことだし、嘘はついてないし、うん、嘘ついてない。
お兄さん達はぽかんっとした後、顔を見合わせて。
「でも、ここではまた一緒にバスケしてくれるんだろ?」
「カケル、強ぇから楽しいし、負けっぱなしは悔しいからな!」
口々にそう言ってくれて、あぁなんか幸せだ、俺。
「もちろん、です!」