心の底


術をうけた左半身に激痛が走る。でもそんなことでくたばってちゃ状況は変わんねぇですし、そんなやわでもねぇっすから。
重い身体を起こそうとするけど、上手く力が入らない。

「あんまり女に手を出すのは好きじゃないんだけどねぇ、でも忍は許せないんだよね」


じりじりと距離を詰めてくる、動け、私の身体、動け。
地面に倒れる私めがけて蹴りかかってくる。やっとの思いで動いた身体はどうにか一発目は避けられたけど、次に出された拳にとうとうぶつかってしまう。


鈍い痛みを左頬に感じて、思わず涙が滲む。


為す術もなく殴られ、蹴られ。
身体が言うことを聞かないし、多分これチャクラ吸い取られてるっすね。
こんなにじわじわといたぶられるのは初めてじゃねぇっすかね。

血の味を感じながら、チラリと相手の顔を見て驚いた。


「……なん、で」


人の感情は不思議なものっすね。自分も、他人も。


「なんで、そんな顔……するん、すか」
「……は?」
「寂しいんすよね、何が、あったか知らねぇっすけど、」
「黙れっ!」


私の身体の痛みほど、こいつの心は痛んでいるんでしょうか。


「忍が許せなくて、何故、あんたは忍、なんすか……?」



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