俺にとってのお前


カカシさんも人使いが荒ぇ。まぁ5代目もひどかったし、火影ってのも大変なんだろうけど。めんどくせぇもんはめんどくせぇ。
よりによってヒカリに任務後に「本を選んでほしい」だなんて言われてるってのに。


書類の整理やらが終わって時間を見れば、そろそろヒカリも任務から帰ってくる頃か。
カカシさんに全て引き渡して、もう今日は頼ませねぇって雰囲気を出来るだけ醸し出して部屋を出た。


ヒカリを探しに里を歩く。めんどくせぇけど仕方ねぇ。待たせちまってるかもしれねぇからよ。どこにいるかもわからねぇあいつを探すのに、なんとなく足は勝手に動くから、まぁいわゆる勘に任せてるんだけどよ。


気付けば俺は甘栗甘の前に来ていて、中に入ろうとすれば聞き慣れた声が三つ。


「本当にあんた鈍感よね」
「シカマルが可哀想よ」
「?」
「じゃあ質問を変えるわ!シカマルはヒカリにとってどんな存在?」


おいおい、俺かよ。めんどくせぇ。
どんな存在ってそんなもん、別に幼馴染とかそんなとこだろうよ。……まぁ、こいつにとっちゃな。俺はどうだか、知らねぇけど。


「まぁ、あれですかね、私の燃料みたいな人っすかね」
「燃料?」
「なんていうか、言葉で表すのは難しいっすけど、シカマルがいないと力が出ないけど、いたらいつもの私になれる、みたいな?自分でもよくわかんねぇですけど」
「あんた、それって……」


……何言ってやがるんだこいつは。顔中に熱が集まる感覚があって、でもなんとなくこれ以上この会話を聞きたくはねぇ、って直感で思った。その瞬間にはもうすでに身体は動いちまってて、店に入ってヒカリの名前を呼んでた。知らねぇふり、出来てっかわかんねぇけど。


「あ、シカマル」


俺を呼ぶその声と、いのとサクラのニヤついた顔に、やっぱりこんなとこにいれねぇと思っちまってだな。


「まぁ、あれだ、邪魔しても悪ィし、帰るわ」


別に帰ろうだなんて思ってねぇのに、勝手にそんな言葉口に出して、店を出ようと足を動かす。


「約束、忘れた訳じゃねぇですよね」
「!」


あのバカ。忘れる訳ねぇだろ。お前に会いにここにわざわざ来てんだからよ。


「さっさとしねぇと置いてくぞ!!」


いつも出さねぇ大きい声が出ちまったじゃねぇか。……早く追いかけて来いよ、バカ。


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