ておくれ
「はなそうよ」
明るい声が切実を帯びて夕暮れの街に落ちる。手を掴んだ手はいつかのようにつめたくて、あたしの手も冷えてゆく。
ああ、いつもそうだった、と思い出す。一緒にいたら哀しくなる、あたしたちは。
はなそうよ。
か細い声がもう一度言う。
「今度はちゃんと、間違えないように」
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