凝縮された祈りに成った


「おちてしまえばよかったのに」
 静かな声がぽとりと空間に滲んだ。平淡な、それでいてさみしい声だった。
「わらってたからよかったじゃん。おれたち高校生でしょ? 人生に意味とか、苦しみながらもがく必要とか、そんなのないじゃん」
 ねえ、おまえ、わらってたじゃん。
 内に激情を孕んだ声が、穏やかに言う。
「それだけで、なんで満足できなかったの。なんで」

 こんなことになっちゃったの。

 うつむいて、祈るように手を組んで絞り出すような声を吐き出す。
 ごめんね。何度も言ったはずの声は、もう君には届かない。


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