及川
自分の部活が午後からなので、午前中なら試合を見れるんじゃ…?と勢いで電車に乗り、内緒で試合会場に来た○○。二階に上がってコートを見渡せば、公式練習の最中だった。青葉城西側に行くと、可愛い女子が沢山いて近づきがたい。しかも『及川さーん』なんて応援してるものだから尚更。それに手を振って応えている彼にも少し複雑な気分になる。いやでも応援してくれてるのはいい事だし私も応援に来たわけだし…と思い「徹ー!」と叫んで拳を突き出した。声が届いたのか分かりやすく二度見して笑い、ブンブンと大きく手を振ってくれた。後に岩泉くんに殴られたのは言うまでもない。
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『及川さーん』自分を応援してくれる黄色い声援。素直に嬉しいと思うけど、でもそこに彼女がいてくれたらと思わないことはない。「徹ー!」突如耳に入る聞きなれたその声の方向へ目を向けると彼女の姿。見に来て欲しさにとうとう幻覚が?と思ってもう一度見たけど、拳を突き出しているのは紛れもない彼女で。制服姿の可愛い見た目なのに、応援の仕方はあまりの男らしさで笑ってしまった。「岩ちゃん見て見て」「あ?」「○○が来てるんだけど応援の仕方がギャップありすぎない?」「ははっ、お前よりかっこいいじゃねーか!」「俺の方がかっこいいし○○は可愛い!」「うるせぇクソ川、惚気てる時間はねーぞ」「いった!」彼女と岩泉のお陰で、適度に肩の力が抜けた及川。
国見
強制参加の補習が終わり、部活もなくなったためこっそり試合を見に来た○○。応援席に上がり、彼のいる青葉城西を探す。まだ始まってないのか、壁際で待機しているのを見つけそこの真上まで早足で移動した。大きい声を出すと嫌がるだろうな…私も恥ずかしいし。さてどうしたものかと考える。応援席より一階の壁際の方がへこんでいるため、○○は少しだけ身を乗り出しギリギリ聞こえるであろう声で国見へ向かって声をかけ手を振る。「英、頑張ってね!」彼は左右を見た後、すぐ少し前に出て上を見て○○の姿に気付き目を見開いた。小さく手を振る国見に気が付いた周りのメンバーが、彼をいじり出したのを見て思わず笑ってしまった。その後、小さい声で「座ってて」と言われ名残惜しかったが大人しく応援席に座って試合を待った。
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アップ前の待機をしていた時「英、頑張ってね!」なんて、ここにいるはずのない声が聞こえて思わず左右を見渡す国見。少し出っ張っている真上の応援席を見ると、○○が来ていて思わず目を見開いた。振ってくれている手を無視するわけにもいかず、小さく振り返す。いや、応援に来てくれたことは素直に嬉しい。嬉しいんだけれども。「なになに?国見ちゃんの彼女!?」「可愛いじゃんなんだよ見せつけか?」やはり食いつく及川さんと花巻さん、やめてほしい。「…国見、言いづらいけどその、身を乗り出してるから手すりに胸乗っかってんぞ…」「!?」松川さんに言われて気付く。慌てて「座ってて」と伝えると戻っていく○○に一安心する国見。
二口
部活終わり、半袖短パンの上にジャージを羽織るくらいにして慌てて電車に飛び乗った。やばい、間に合ったかな。来慣れない体育館の階段を登り、応援席で二口の姿を探す○○。体育館を見回すと公式練習前のアップをしている伊達工業の姿を発見し、そこの近くまで足早に移動する。キャプテンをしている彼の姿が普段見ている姿とあまりに違いすぎて、思わず見惚れてしまった。一息ついたのを見計らい「堅治頑張ってねー!」とエールを送ると、光の速さでこちらへ振り向く。動揺してる、面白い。手を振ると渋々と言ったように振り返す彼。「二口の応援ですか?」「…?はい」「こっち、伊達工の応援席なのでどうぞ」「いいんですか?」「ぜひ一緒に応援してください」伊達工の制服を着た物腰柔らかな人に話しかけられ、一緒に応援席へ座らせてもらうことになった。
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適度に身体をほぐし、コートを使う前のミーティング軽くし、一息ついた時。「堅治頑張ってねー!」「!?」間違えようのないその声は○○のもので。瞬間的に声がした方へと振り向いた。なんであいつがここに?来るって聞いてないし、なんだよその格好。ジャージ?初めて見た、なかなかいい…じゃなくて!ここから叫ぶわけにもいかず、控えめに手を振り返す。見ていると茂庭さんが○○に話しかけているのが見え、その後伊達工の応援席に移動していた。…余計な事言わないよな…。来てくれたのは嬉しいが余計な心配が増えた二口。
黒尾
部活の時間が変更になり一試合くらい見れるかも、なんて思い試合会場に向かう○○。すぐ部活に行けるようにジャージで来たからギリギリまでいたい。でも応援席で周りに紛れて見つけてもらえないんじゃないかと少し心配なところもある。二階に上がり、音駒を探す。「いた、」見ると公式練習の最中だった。音駒の近くまで行き、一番前で練習を見つめる。すごい、主将してる鉄朗かっこよすぎる。なんて初めて見る彼の姿にドキドキしたりして。声を掛けることができる、その時を待った。………。どうやら公式練習の交代の時間が来たようで、コートの外にはけたこのタイミングで声を掛ける。「鉄朗ー!頑張れー!」ジャージだから見つけてもらえないかも、なんていらない心配だった。声を掛けてすぐに驚いた顔で振り向いてくれたから。
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公式練習が終わりコート外にはけてすぐ聞こえた「鉄朗ー!頑張れー!」の声。驚いて見上げると、○○の姿。手を振るとにこにこでガッツポーズをしてくれた。「え、黒尾さんの彼女っすか!?」「あーね、来るなんて言ってなかったけど…」「公式練習の最中に来てたよ」「知ってたなら言えよ研磨!」「…教えてって言われてないし」「へぇーお前可愛い系が好きなんだな?」「やっくんにはあげませんよ?」…それにしても、ジャージ…短すぎやしませんか。と思いながら試合前にまじまじと眺める黒尾。