契約彼氏の赤葦くん3

「……あ、ここですね」

京治くんが指をさしたのは、大通りから一本奥に入ったところにあるこじんまりとした店だった。彼に続いて中に足を踏み入れれば、明るさを抑えた照明で落ち着いた雰囲気が窺える。席と席の間は広めに設けられていてゆったりとしていた。
何名様ですかの問いに彼が「二人です」と答えれば、どうぞと奥の席へ促される。
串揚げ屋と聞いて威勢がいいお店のイメージだったので、もしかしてお高いのでと少ししり込みした。


「そういえばさっきの先輩、SNSのアカウント知ってるんですよね?」
「うん、不本意ながら」
「ストーリーに今の写真載せたら信憑性出るんじゃないですか?」
「た、確かに。でも私の友達にも知られちゃうし……京治くんが困るでしょ」
「全然困りません。なんなら顔少し出してもいいですよ」
「流石にそこまでは大丈夫」
「そうですか……」

でも確かにストーリーなら時間が経てば消えるし、丁度いいかもしれない。