気がつけば、私はいつも研磨とクロの傍にいてふたりを見てた。出会ったのが中学生からだから、そんなに長くはないけれど何がきっかけかは忘れたが自然と一緒にいることが多くなった。近くでふたりのバレーを見て、笑って、怒って、悔しがって、それが私にとっての日常。
「けーんま、今帰るとこ?」
「そうだけど、##name_1##も?」
「先生から頼まれごとしてたら、ね」
そう、こうやってばったり会ったらことわりもせず隣を歩くような関係。最初は人見知りから、研磨はなかなか目も合わせてくれなくて、今よりも発する言葉が少なかった。いつからこんな風に自然と一緒にいるようになったのかは私も覚えていない。研磨は口数が少ないけど、不思議と一緒にいると安心する。
「今日はクロと一緒じゃないんだね?」
「うん、なんか先生と話してた」
相変わらずの歩きスマホ。よくアプリでゲームをやってるけど、面白い?って聞くと大体は別に。って返ってくる。研磨の口からすごく面白いよ、このゲーム、なんて言葉聞いたことがない気がする。(某モンスターを狩るゲームは楽しそうにしてたけど)でも画面から目を離さないってことから集中してることが窺える。(いつも思うけど、よくそれで何かにぶつかったりしないよね)
「教室から見てたけど、今日も女の子見に来てたね」
「うん、みんなクロを見に来てるんだと思う」
「あー‥」
バレーしてるところ限定でかっこいいもんね、なんていうと研磨はそうだねと言って笑った。研磨も可愛いから、ファンの子とかいるんじゃない?と問いかけると、可愛くないしそんな人いないよと軽くあしらわれた。うーん、いると思うんだけどなぁ。
でも彼女とかできたら一緒に歩くこともできなくなってしまうのか‥それは困る。というか、いや、なのかな。今の状態があまりにも心地よくて。そう思ってるのは私だけなのだろうか。もうしばらくはこうして隣で歩いていたいな。
(研磨は、どう思っているんだろう)