君から離れることができたら、どんなにいいことか。
「徹ー、予習忘れたからノート見せて?」
「いやですぅー」
「‥牛乳パン奢る」
「のった」
半ば悔しそうな顔をし、俺のノートを持って席に戻っていった。ノートなら友達から借りればいいのに、というと徹のノートが一番見やすいなんて言って忘れる度に借りにくる。
こっちの気も知らずに。
##name_1##は最近、放課後の部活も見に来るようになった。本人は隠れて練習を見に来ているらしいが、俺からしたらバレバレで。きっと岩ちゃんも##name_1##が覗きに来ていることに気づいているだろう。
岩ちゃんがスパイクを決めたりレシーブをしているプレーを見て一喜一憂しているのを俺は知っている。きっと自分には見向きもせずに、だ。
そのせいで気が散っているのか、ここのところ調子が悪い。周りが気付かない程度ではあるが、自分のプレーがしっくりこない。だから、その場から逃げたくなることもしばしばある。
でも、そんなことできない。
そんな時思うんだ、##name_1##と離れられたらどんなに楽なんだろうか。
##name_1##のことを知らなかったら、こんな気持ちにならずにすんだのに。
そんなことばかりが頭を巡る。
皮肉なことに、岩ちゃんに相談して決めたと言っていた大学も俺が志望してるところと同じだった。
高校を卒業したら解放される、そう思ったのもつかの間で。この前の##name_1##からの報告で俺の気持ち軌道修正プランが崩れ落ちた。
いつまで、こんな気持ちに振り回されるのだろうか。
そう思うと頭が痛くなった。
「ノートありがと、やっぱ徹のが一番見やすいよ!」
「そりゃどーも」
そんな俺の都合も知らずに、呑気に##name_1##はノートと急いで買ってきたであろう牛乳パンを持ってきた。
(逃げられない、離れられない、でも‥この想いは叶うことはない)