##name_1##が練習を見に来てくれた。女子が見に来るのは珍しくないからあまり気にしていないけど、##name_1##が見に来るとなるとなんだか緊張して。
まぁ、おれはおれの役目を務めるだけだけど。クロが打った瞬間、黄色い声があがる。クロはかっこいいと思う。(しゃべらなければ、だけど)それにやっぱりスパイクは動きがダイナミックで、惹かれる攻撃であろう。
練習が終わって、クロと##name_1##の元へ向かった。
「どうって‥すごいね、やばいね!語彙力なくてすごいとしか‥!」
「面白かっただろ?」
「すっごく!」
「なまえが面白かったなら‥よかった」
「研磨もすごいね!あんなにピンポイントでトスあげるんだもん」
「みんなが‥きれいに返してくれるから」
「なまえが褒めてくれてんだ、謙遜すんなって!」
「ちょ、クロやめ‥髪わしゃわしゃしないで‥!」
##name_1##が興奮しておれたちのバレーを面白かったと言ってくれた。正直、##name_1##が褒めてくれたのは見ててくれたんだなと思って嬉しくなった。なのにクロが髪をわしゃわしゃするから台無し。
おれはまだ片づけが残っていたので、ちょっと待っててと伝え体育館に戻った。クロはこのあと先生と今後の練習試合の打ち合わせがあるから一緒には帰れないらしい。二人で仲良く帰れよ、といつもの腹の立つ笑顔で言ってきた。(クロはいつも一言多いんだよ‥)
「おまたせ、」
片づけを終わらせて足早に体育館外へ向かうと、##name_1##が空を眺めていた。(絵になるって、こういうことを言うんだろうか)
「あ、研磨おつかれ!」
「待たせてごめん」
「全然待ってないよ。それよりも、」
「それよりも‥?」
「研磨たちの練習見たら久しぶりにバレーやりたくなっちゃった」
まさかの言葉におれは驚いた。やったことあるの?と聞いたら小学生のときにかじった程度だけどね、なんて笑っている。驚いたけど、##name_1##と同じスポーツをやったことがあるってことだけでもなんだか嬉しかった。
「じゃあ、ちょっとさわる?」
「え、いいの?」
「少しなら、多分‥」
おれは普段練習以外でバレーをすることはないけれど、##name_1##がやりたいって言ったから今夜は特別。こっそりと古いボールを持ってきて、ふわりと山なりに投げる。彼女は両手を組みレシーブで返してくれた。それをトスで返すと、彼女もトスをして。部活とは違う楽しさがそこにはあった。
「いっ‥」
「##name_1##っ大丈夫?」
「少し指ぐぎってなっただけだから、だいじょ‥」
「‥見せて」
##name_1##の指を見ると、少し赤くなっていた。軽いつき指のようだ。おれはすぐにテーピングを取り出して彼女の指に巻いた。
「これで、大丈夫‥」
「研磨ありがとう、すごく手際いいね」
「まぁ‥つき指とかしょっちゅうだし‥」
おれはいいけど、彼女が怪我をするのは嫌だ。テーピングを巻いた指を見て思った、なんて細くてきれいな指なんだろう。これで##name_1##は沢山の絵を生み出しているんだ。
「研磨、」
「‥なに?」
「あの‥そろそろ、手‥」
「‥!ご、ごめん」
##name_1##の指を見ながらそんなことをぼーっと考えていて、気が付いたら彼女の手を握りっぱなしだった。おれは謝って慌てて彼女の手を離した。(ずっと手を握ってたかと思うとなんか恥ずかしい。)
心なしか、彼女の頬も少し赤くなっているように感じるのは気のせいだろうか。
「じゃあ‥帰ろうか」
「うん、ありがとね、バレーやらせてくれて」
「それくらい、大したことないよ」
まだ少し彼女の温もりが残っている手をぽっけに入れ、二人で帰路についた。
(華奢な手が、忘れられない)