「あ、この水族館リニューアルしたんだ」
特集を見ながら呟けば、明星もテレビを覗いて「わー夜ライトアップされるんめっちゃ綺麗やな。また行こか」と笑った。
#brmyプラス
また?
……付き合う前も、付き合ってからも、間違いなくここの水族館には行ったことがない。ないと思うんだけど、私の記憶から抜け落ちているだけなのだろうか。
明星のことだから代行で行った記憶と混同している可能性もある。……が、正直それはそれであまり気分のいいものではない。
「どうしたん、すごい顔しとるけど」
「うん、明星のせいだね」
「えー俺なんか困らせること言うた?」
「言うた」
「なにー? 心当たりありすぎるわ」
「それはない方が嬉しいんだけど」
彼は「わからんー」と眉を下げているが、今言ったことを疑問には思っていなさそうだ。私の記憶違いか、明星の代行か。後者であれば水族館に行ったときぬいぐるみでも買ってもらおう。
「……明星、この水族館って私と行ったことある?」
「んーん、ないよ」
「そうだよね、ないよね……ってないの? ないよねやっぱり」
「せやね。やから、また行こう言うたやん」
そう口にする彼に頭を傾げた。行ったことないのにまた行こうって、どういうこと?
「またなんていうから、明星が行くの二回目だと思って」
「え? また行こうって言うたのは、今度行こうって意味なんやけど」
当たり前とでもいうように、彼はそう口にした。
……そうなの?
私はスマホを開いて検索をかければ、確かに明星のいう通りの説明が出てきた。勝手に勘違いしてただけなのがわかり、じわりと頬が熱をもつ。
「……やっぱなんでもない、困ってない」
「なんや急に解決――」
私の言葉から察したのか明星は「あぁ、」と呟き、にんまりと口端を吊り上げた。
恥ずかしさを誤魔化すためにこの場から逃げようと腰を浮かせれば、すかさず腕を引かれ彼の胸元へと捕まった。
「なーんで逃げんの?」
「ちが、そうじゃなくて……」
「俺が他の子と行ったって思ってたん?」
「そうじゃ……そうだよ、もう!」
離す気のない彼の腕の中で、顔を背けながら白状する。「言わせないでよ……」と力なく呟けば、彼は私の顎へと指を添え、そのまま掬い上げられた。
逃げ場をなくした視線の先では、明星が目元を緩ませ嬉しさを滲ませているのがわかる。
次に出てくる言葉がなんとなく予想できるから、余計に恥ずかしい。
「あは、嫉妬したのを悟られたくないとこ、ほんまにかわええなあ」
「だからもう言わなくていいから!」
これ以上何も言えないようにと片手で彼の口を塞げば、すぐに手首を掴まれて。引きはがされるかと思いきや、私の手のひらに短く口付けを落とされる。
「ちょ、あけほし……っ」
驚きから反射的に身を捩らせるも、そのまま彼の方へと引き寄せられ、鼻先がくっついてしまうくらいの距離に