別世界に似た登場人物


ゲームは好きだ。据え置き、携帯、ゲーセン、または暇な時に簡単にソシャゲアプリと色んなものに手を出している。多種多様なゲームをしていたが最近ハマってるソシャゲがあった。よく見る動画に挟まれた広告動画で流れてたもの、ふとぼんやりと見ていたらいつの間にかアプリをインストールをしていたしいつの間にかハマり込んでいた。世界観もキャラも使用もよくできていて、イベントも飽きがないようなバランス調整で緋透も満足していた。
 だがやり始めたきっかけは一人のキャラを知ってしまったからだ。今となればそのキャラが推しとも言えるほどに思い入れのあるキャラになってしまった。
 いや、わかる、わかるよ。だってそのキャラは…と一人で言い訳を心の中でずっとしていた。このアプリは、絶対にあいつだけは気付かないようにしないとな、と心の中で誓った。
「最近休憩中緋透ちゃんずっとスマホいじってるよね!」
 そうえむに指摘されてキョトンとした顔でそっちを向く。休憩中緋透はずっとスマホをいじってたのは自覚していた。えむは楽しそうにしている緋透が気になりきいたのだろう、と察する。「ゲーム、してるの」と画面を見せるとキラキラとした目で画面に食いついた。寧々も少し気になるのか近づいて画面を見る。
「あ、これ最近よく見るやつじゃん、やってたの?」
「まーね、もそもそとやってる感じ?」
「ってこの編成結構ガチのやつじゃん…なに言ってるの」
 わかる人にはわかった編成。もそもその割には本気でやってる緋透の言葉に引いていた。そんな二人の会話にえむはなんの事かわからずにほえ〜っと聞いていた。
 その後どんなゲームなのかを聞いたり面白いのかって聞くが緋透の適当な返しをしながらしていると、ふと寧々はあるキャラを見て何かに気づいた。
「ねえ、緋透の推しってこのキャラ?」
「え?あーうんそうだけど…」
 やっぱりと何かに気づいた。緋透がハマった理由ってこれなのでは?と寧々は察した。ハマるきっかけは人それぞれだからそれに触れないようにするが。
「…それ類に気付かれたらめんどくさいからね」
「やっぱり?」
「バレバレだからね」
 と付け足されて休憩が終わった。
 
「休憩中楽しそうに話してたけどなんの話をしてたんだい?」
 帰り道、類から先程の休憩の時になんの話をしていたのかを聞いてきた。少しだけギョッと驚いたがすぐさま切り替えて「ゲームの話」と切り替えていった。
 少しだけ戸惑った彼女に違和感を感じたが気にせずにどんなゲームかを聞き、緋透は簡単に説明をする。
「ま、こんなもんかな?それなりに楽しいよ」
「へぇ〜そこまで緋透くんがハマるほど面白いんだね」
「あー面白いんだけどそれ以外の理由もある…はず…」
 言葉をつまらす。一瞬なんの事だろうと疑問に思ったがそこまで気にならないような雰囲気でかの女は平常心でいた。多分今問い詰めても答えてくれないのはわかっている。後で寧々にでも聞いてみようと思いこの話は思った。
 緋透も内心やべっと思ったがなにも言わずにいてくれた類に少しだけホッとした。次の日までは。
 
 久しぶりにゲームのしすぎで遅刻をした。時刻はお昼休み。午後から授業もめんどくさかったが今日も練習があるからサボっていくのも気が引けるため仕方なく学校に向かった。
 教室に向かう途中昼食を取ろうとする司とバッタリと会った。
「はよー」
「おはようではないだろ!もうとっくにお昼だろ」
「じゃあこんにちは」
 そう言う問題ではないだろ!と大きな声を出されうるさいと思いつつ軽く流した。ふわぁと眠そうにする緋透。こいつまた朝までゲームをしていたんだなと察せられた。
 教室に向かおうとすると何かいいたげにする司に止められた。
「そういえば朝から類がなんともいえないテンションだったが何かしたか?」
「?なんの事か思いつかないけど」
「ならいいんだ」と言われ疑問に思いながら緋透は教室に向かった。
 教室はお昼ご飯を食べたりする人で賑わっていた。クラスメイトも緋透が登校してきたのに気づいて挨拶をする。
 自分の席に座ると類がふらりと現れ挨拶をしてきたため挨拶を返す。ニコニコとしている彼を見て何か企んでる?と警戒するが、途中買ってきたコーヒーを飲もうとすると類が口を挟んできた。
「最近ハマってるゲーム、僕に似ているんだってね」
「ゴフッ…!?」
ニコニコに話す類とコーヒーを口から吹く緋透。緋透はなぜそれを知っているのかと言う顔見る。予想はなんとなく付いている。寧々に聞いたのだろうと、断る隙を与えずにって考えると少しだけ申し訳ないと思った。
それはそうとめんどくさいことになったなと、けどまあ、そのキャラ目当てでやったのは事実なのだから言い訳しても仕方ない。
「どんな感じのキャラなのかな?」
「あ、こいつの事?そうだなぁ…」
とめんどくさそうに語り始めようとするがそれでも笑顔が途切れない彼。
「天才が故に一人ぼっちになっちゃって、皆を常に驚かせてて変人で、やっと見つけた仲間を大切にしてまさに類みたいなやつ」
「ついに僕みたいって言ったね」
だってそんなやつだもんと割り切った。少しだけ複雑そうな顔をするがさらに緋透は付け足すように言う。
「それにそんな奴と一緒にいるのがこいつ」
「えっ?」
「昔馴染みで、昔はそこまで仲良くなかったけど仲間のおかげて特別な感情をお互い持ちはじめてしまったって感じのやつ」
「なんか俺と類みたいな感じで気になったからつい」と付け足すと思っても見なかった言葉に類はしてやられたと言う顔をしていた。少しだけ恥ずかしそうに言うと先ほど言っていたキャラを見せた。類もそれを見るとどことなく緋透に似ていて、ハマっている理由がよくわかったし、言うのを渋るのがよくわかった。
「ねえ、緋透くん。もう少しだけこのゲームのこと、この2人の関係性とか教えてもらってもいいかな?」
「いいけど、一度喋りはじめたら止まらないよ?」
と前置きをして緋透は楽しそうに語りはじめた。

- 7 -
←前 次→