道標はいつも






 お返しは、もうもらったからと頑なに奢られるのを迅さんが拒否するものだから、やり取りそのものが面倒くさくなって 勝手に烏龍茶を買って 迅さんに手渡すと「本気で大丈夫だったのに」と滅茶苦茶申し訳なさそうな顔をするので「言っておきますけれど、私の家、お金ありますからね」と追撃しておいた。

 ゲームの課金は渋っているけれど、別に死ぬ程お金に困っているわけではないし、どちらかと言えば、お金はある方だから そういう顔は是非しないでいただきたい。




「私と迅さんって意外と会話ないですよね」
「うわ、結構酷い事言うなー」
「迅さんとの会話なんて『ヒュースくんは元気ですか』意外に浮かびませんもん」
「そういえば、その件は意外だったよ。名前がヒュースに懐くとは思わなかったからな」
「私が勝手に優しいヒュースくんに甘えているだけで、懐いてはいないです。もし、私が本気で彼を1人の存在として好きだという日が来たとするなら、それは私が城戸派を辞める日ですよ」
「冬島隊を辞めるってことか?」
「どうだろう。でも、隊長や先輩達が辞めろっていうのなら、私に意思はありません」




 そうしてまた一気に会話がなくなった。

 そういうタイミングで、飲み物を買う為に私が先程 迅さんの烏龍茶を購入した自動販売機を目指して熊谷先輩が歩いてくる。私は那須先輩と色々あった手前、熊谷先輩の視界には入らないだろうところに身を隠したのだけれど、迅さんは そんな私の横を通り過ぎて熊谷先輩に向かっていった。




「やー、熊谷ちゃん」




 その言葉の終わりに熊谷先輩の「ぎゃっ!」という悲鳴が聞こえた。一部始終見ていた私としては、正直ドン引きを飛び越えて、感情が無になってしまったけれど、あの人は女の子相手になんてことをしているのだろう。しかも、迅さんと先輩の会話を聞く限りでは、相当常習性が高い事がわかる。

 迅さんはサイドエフェクトのおかげで何でも知っていますという部分以外は比較的普通の人間だという認識を勝手に持っていたけれど、別にそういうわけではないらしい。噂には滅茶苦茶聞いた事があったけれど、噂通り、女の子のお尻が大好きなのかもしれない。いや、滅茶苦茶噂は聞いていたし、小南先輩や宇佐美先輩、それから真木さんにも「迅さんには気を付けろ」と滅茶苦茶言われてきた。しかし、私のお尻に迅さんが触れる事はなかったし、皆が誇張していっているのだろうと思っていたのだ。たったいま、この瞬間までは。けれど、違った。滅茶苦茶事実だった。迅さん、こっっっわ。三輪先輩に報告しないといけないレベルのやつだ……。




「たぶん今 個人戦のブースで熊谷ちゃんの次の対戦相手・・・・・・2人が10本勝負してる」
「……!!」
「でも急がないと、そろそろ終わっちゃってるかも。あー、後さ。例の件どうだった?」
「は? ……あ、ああ。また仲良く出来たらいいのに、みたいな事は言っていましたよ。あたし達は良く知らないけど、玲は名前ちゃんの事、奈良坂くんに聞くくらい気にしてるみたいだから」




 それじゃあ、失礼します。そういって、急いで立ち去る熊谷先輩の足音だけを聞きながら、私は体育座りをして顔を腕に押し付けていた。

 わざとだ、絶対。きっと、いま迅さんは物凄く人の悪い顔をしているに違いない。これを聞かせる為だけに、私を呼び出したに違いない。なんなの。私と玲ちゃんの関係を、この人は どうしたいの。どうなって欲しいの。これを聞いた私に、なにを求めているの。




「大丈夫。お前は嫌われてないよ」
「……なんなの、迅さん」
「自己満足。おれは名前と那須ちゃんが2人でいる時の2人の顔。好きだったんだよね」
「奈良坂先輩が私に話しかけてくるようになったのって私が狙撃手として優秀だからじゃあなくて、那須先輩のためだったんですね」
「真木ちゃんに嘘つきなんて言うなよー」
「勝手に未来みるのやめてください」
「嘘つきっていう前に本人に確認してみたらいいよ。奈良坂にも那須ちゃんにも」
「私にそんな強さがあるのなら、玲ちゃんと疎遠になんてなってないよ。それにね、迅さん。私これでも星輪に行けなかったのは結構なダメージなんだ。だからまだ玲ちゃんには会いたくない」




 あれだけ玲ちゃんに絶対に星輪に通うと言っておきながら結果、普通校に通っている私がどの面を下げて 先輩に会いに行けばいいというのだろう。

 ただでさえ、受けられなかった日から3ヶ月は見るからに落ち込んで、冬島隊の皆にもカゲ先輩達にも迷惑をかけたというのに。絶対に会いたくない。そもそも、会話が浮かばない。勇気も度胸も何もない。玲ちゃんと向き合ってしまったら、私はまた星輪を受けられなかった、入学できなかった自分が嫌になる。また皆に迷惑をかけてしまう。絶対にだめだ。




「そもそも、玲ちゃんに嫌われていない事くらい解っているに決まっているじゃあないですか。だって、私が勝手に離れたんだもん」
「知ってるよ、見てたから」
「同情された上に気を遣われるのが、死ぬ程いやだった。だからって六穎館は妥協したみたいで受けたくなかった。古寺くん達が本気で目指して受験した場所に私は妥協して受験する。そういう印象がつくのが嫌だったから」
「それも、ちゃんと知ってる」
「……じゃあ、なんで余計な事をするの」
「名前の事が好きだから。それが例えば有難迷惑だったとしても前に進む手伝いをしてやりたいんだよ、おれは」




 迅さんは そういうとすぐに「ほら、烏龍茶は買わない方が良かっただろ?」と口にして、へらり、と私に笑顔を向けるものだから、私は迅さんに言う。




「なにそれ、それとこれとは違うでしょ」




 私の発言に迅さんは想定外の発言ですというような顔をしたけれど、それとこれとは違うし、迅さんの言葉が全て真実であるというのは少ない付き合いの私であろうともわかることだ。そして、迅さんの行動が例えば私にとって100%有難迷惑であろうとも、それが正しい行動であり、最終的にどちらも不幸にはならない選択であるということくらい私にもわかる。

 ただ、私が動くという選択を選ぶ事が出来ないというだけで、迅さんの助言は迅さんのいうとおり全て私を良い方向に導く言葉なのだ。




烏龍茶それを買ったのは迅さんが助け舟を出してくれたからで、今の迅さんの発言や行動を受けて、その恩義が帳消しになる事はありません。私、そこまで子供じゃあないですよ」
「ごめんごめん」
「迅さん」
「はいはい、どうした?」




 迅さんは私を敢えて子供扱いするように、右手を私の頭に置いて、髪の毛をすくっては おとすという動作を繰り返す。

 たった今「子供扱いするな」と遠回しに伝えたにも関わらず、このような行動を取るという事は、迅さんなりの照れ隠しのようなものなのかもしれない。色々な人と話をする限りで迅さんという人間は信頼はされていても、緑川くん以外の人間からは直接好意的な言葉をぶつけられる事は少ないようだから。




「迅さんは昔から私の事をよく見ていたみたいだけれど、迅さんが私を見ていたのと同じくらい私も迅さんの事を見ていたから、私は迅さんの事は嫌いだけれど、投げられた言葉は考えて受け止められるし、簡単に跳ね除けたりはしないよ」
「へえ、そりゃあ初耳だ。天下の冬島隊エースである苗字ちゃんに一目置かれていただなんて、この実力派エリートも鼻が高いな」
「私の真意を冗談みたいに返されるのはシャクですし、本当に私が今、玲ちゃんの件に向き合うのは難しいけれど、切っ掛けをくれてありがとう」
「どういたしまして」
「次は私が迅さんのお悩み相談役を引き受けてあげるので、困った時は呼んでください」




 頭を下げて 冬島隊作戦室の方へと足を向ける。折角 迅さんが回避させてくれたというのに、個人戦に捕まってしまったら最悪だ。けれど、ボーダーにはいないといけないのは絶対条件。米屋先輩とのラーメンまでは冬島隊長にでも遊んでもらうとしようか。

 ついでに、真木さんに ちゃんと嘘つきって言っておこう。日頃、とんでもコミュニケーションを見せてもらってるお返しだ。そうだ、それならば 当真先輩にも言おう。作戦室に着いたら、滅茶苦茶いじけたフリをして、「嘘つき」って嘘泣きをして、2人に迷惑をかけよう。そうしよう。




「あーー……あんまり解りたくなかったけど、本当にお前はマメ・・ちゃんでプリン・・・ちゃんだよ。俺にとっても・・・・・・











 いま、私はラウンジで一人でゲームをしている。理由は真木さんと当真先輩相手に「嘘つき」と喚くだけ喚いて、収集が付かなくなりそうなところで「もう知らない」という言葉を残して作戦室を飛び出してきたからである。

 ぶっちゃけ、滅茶苦茶後悔をしている。というか、後悔しかしていない。出ていく間際に見た真木さんの顔は、それはもう滅茶苦茶真っ青だったし、当真先輩も それなりにーーーというか普通に困惑していた。だからもう「冗談で〜〜す!!」とか言える雰囲気じゃあなかったし、控えめに言っても、やり過ぎた感が凄まじい。これは暫くは、作戦室には戻れないなあ。




「やあ、プリンちゃん。久しぶり」
「……冬島隊のゲートホイホイ」
「樫尾くんから凄く失礼な言葉が聞こえたんですけれど、王子は一体どんな育て方を?」
「王子だなんて照れるなあ」
「心外です。王子かカズくんって呼べって圧をかけてきたのは、先輩じゃあないですか」
「否定はしないよ。プリンちゃんと絡んでいると周りからの視線がすごく愉快なんだ」
「ああ、前に私といると強い人と個人戦が出来るっていう話は出水先輩達に聞きました」
「実際、その出水くんも相当強いしね」




 確かに。あまり意識した事はないし、今となっては出水先輩は私には全然敵対心のようなものを見せる事はない。なんというか、チーム戦をしていても、なるべく変な撃破のされ方をした事はないし、なんならあの人と私は殆ど同じチームで模擬戦をするから最近は先輩がどのくらい強いのかということは、全然わかんないけれど、あの人。あれで一時的にでも二宮さんの師匠だなんていう物凄いポジションを担っていた人である。凄すぎる……。よく考えたら なんであの人、私なんかとこんなに仲良くしてくれているんだろうか。

 もうあの事は水に流してくださいって言ってあるから、もうそろそろ見切られてもいい頃だと思うのに。もしかして、あの人って、私の事が大ッツ好きなのでは???




「待って先輩、もしかして出水先輩って私の事が吃驚する程 大好きかもしれないです」
「……うっわあ、それは物凄い思考回路だ。一体全体どうやって脳を動かしたら今の会話からそんな奇跡の回答を導き出せるんだろう」
「素直に恐ろしい思考回路だと思います」
「先輩って本当に滅茶苦茶言いますよね」
「上手な飴と鞭戦法と言って欲しいな」
「じゃあ、飴の部分を頂いてもいいですか」




 私の言葉を受けて、先輩は今まで立っていた場所から私のラウンジでのお気に入りのボックス席の向かい側に腰を下ろして、にっこり、と その顔面を最大限に活かす笑みを浮かべる。




「この間のチーム戦、見たよ。見た上でキミの狙撃手ならびに射手の実力は ぼくが思うよりも ずっと優れたものであると感じた」
「えっ、えっ……!!? ほんと?」
「ホントホント! でも、勿体ない。君の良いところ活かしきれていない。それがどうしてなのか、教えてあげようか? プリンちゃん」
「いいんですか。この人、敵の部隊ですよ」
「うんだからさ、プリンちゃん。教えるかわりに王子隊うちに入ってよ。狙撃手として」




 その言葉の終わりと同時に笛の音がラウンジに響いて、振り返ると太刀川さんと国近先輩が見た人が全員振り返るくらいの溌剌とした笑顔を浮かべていた。その様子を見て、何事だろうかと目を丸くしていると「うわ、でた。過激派」と王子先輩が愉快そうに笑って、それから両手を上げる。そうすると、太刀川さんは、ゆっくりと刀を抜いて「悪いな、太刀川隊うちが先約だ」と王子先輩の喉元に刀を当てる。

 ……………どういう状況??というか、普通に隊務規定違反なのでは? そう思うけれど、国近先輩が「戯れあいだよ、戯れあい」と普通に圧をかけてくるから普通に怖いし、唯我くんに助けを求め、視線を送ると普通に逸らされた。つらい。




「よし、苗字。なんと今 太刀川隊うちに入ると、もれなく、俺と国近が毎日お前のやりたいゲームに付き合うぞー、入るだろ?」
「いや、この光景見て こんな物騒な部隊に私が入るって、どうしたらそう思うんですか」
「太刀川さーん、取り敢えず刀どけようぜ」
「そうだ。キミがプリンちゃんをどの程度好きなのか、話しておいてあげたよ」
「…………太刀川さん、柚宇さん。この条件揃ってれば、おれが この人を蜂の巣にしても冬島さんが揉み消してくれますよね?」
「問題な〜〜し。やっちゃえ、出水くん!」
「そういう事だ。やれ、出水」




 今のところ問題と異議で溢れかえっていると思うのだけれど。だって見てこの光景。ほら、出水先輩はなんか太刀川さん達に言われてなのかわからないけれど通常弾アステロイド出しちゃってるし、太刀川さんもなんか王子先輩に刀向けているし、なにもう一周回って私が冷静になる奇跡が起こっているのだけれど。普通にこの状況はカオスすぎない?

 それなのにもかかわらず、なんの自信があって王子先輩このひとは、この人達の闘志に火をつけているのだろう。私は私のアイコンタクトを唯一受けてくれる樫尾くんに そのように目で訴えかけると、『概ね お前のせいだろうが、なんとかしろ』という意志が物凄く 伝わってきたので、取り敢えず この場は、たった今私がおさめないといけなくなった。




「そういえば、太刀川隊はランク戦の間に防衛任務だったと思うんですけれど、風間隊と防衛任務交代したところですか?」
「そうだよ。それで、太刀川さんが名前ちゃんに会いたいって五月蝿いから出水くんが適当に収める為にラウンジのお気に入り席にいるかもしれませんって言って来てみたら、なんと吃驚! こうなりました〜」
「でも意外だ。こんな物騒な取り締まりをするのは澄晴スミくんと生駒イコさんくらいのものかと思っていたからねー」
「ざんね〜〜ん。太刀川隊うちもでした〜」
「忍法残念返し〜〜。聞いて驚け、なんと吃驚。学校でのA組の様子から太刀川隊が過激派なのは予測済みで〜〜す」




 そうか、王子先輩って普通校なんだ。

 それで思い出したけれど、国近先輩って当真先輩と同じクラスなんだよね。いいなー、当真先輩。こんなに可愛い人を毎日拝めるんだもん。羨ましい。うちのクラスも、とりおと、とっきーがいるから私も香取ちゃんから滅茶苦茶妬まれているのかな。来年は是非別のクラスを用意しておいて欲しい。




「私そろそろ米屋先輩のところに行かないといけないので失礼しますね。王子も、いつまで捕まっているんですか。行きますよ」
「うーん、つれない お姫様だなあ。ぼくの勧誘は結構本気の勧誘なのだけれど」
「これはおれも含めてですが、割と苗字先輩このひとの引き込みには反対意見出ると思いますよ」
「確かに。他所に取られるのなら冬島隊現状維持って考えが多数派であり一般論だからね。お互い先は長いね、国近ちゃん」
「ほんとだね〜〜」
「よくわからない話ばかりしていないで行きますよ! ほら、樫尾くんも困ってるし、太刀川さんも刀をどかしてあげてください」
「名前ちゃんって王子くんといると しっかりさんになるんだね。レアだね〜」
「……その言い方だと、私が普段は普通にダメな奴みたいに聞こえるんですけれど」




 そういう意味じゃあないよと、にこにこしている先輩も学校にいる時よりも抜けているように見えますけれどね。そうやって無理矢理に心の中でなんとか反論して、モチベーションキープをしていると、米屋先輩と緑川くんが個人戦を終えたのか、ここを目指して歩いてくるのが目に入る。




「王子のせいで迎えに来ちゃったじゃん」
「そこは時間を奪われたのは お互い様でしたって事で綺麗さっぱり水にながそうよ」




 米屋先輩達は、ここの輪の中に入ると「太刀川隊、防衛任務ご苦労さまでした」とか「東さんの解説流したのは痛いっすねー」とかミスターコミュニケーションの名前に恥じないコミュニケーション能力を発揮してくれていた。

 相変わらずすごい。私には絶対に出来ない……。だって、この面子って結構大物ばかりが揃ってる。そもそも輪の中に入る度胸が凄い。まあ、私がこんなところに滞在し続けた結果なのだけれど、別にこの人達が勝手に集まって来ただけで、私は呼んでいないし、私のせいだけじゃあないよね。




「ねえ先輩、ラーメンさ、駅前と近くのラーメン屋のどっちに行く? 先輩の家の事考えると近くだけど、駅前のが好きだよね?」
「え〜、悩む!! 緑川くんが決めて〜!」
「うわ、一番困るやつじゃん。よねやん先輩が送っていくんだから、先輩が決めてよ」
「オレが決めんの? じゃあ、駅前で。美味い方に行った方が絶対いーじゃん?」
「じゃあもう行こうよ。遅くなると、名前ちゃん先輩のとこ門限厳しいからアレでしょ」




 うわあ、緑川くんってば優しい……!!!

 私の家の門限の事まで考えてくれているの? まあ確かに、私の家は防衛任務だということを伝えていない日は割と門限が厳しいのだけれど、最近は全然守らない日の方が多いというのに、緑川くんは門限にまで気を遣ってくれるらしい。……優しすぎる。ああ、なるほど。だから今日は、あんまり個人戦をしてこなかったのかもしれない。なんか来るの早かったし。




「弾バカは? おまえもラーメン行く?」




 米屋先輩が出水先輩に確認すると、先輩は「え」と、言葉を漏らした後に、私と緑川くんと米屋先輩。そうして、太刀川さんと国近先輩に視線を動かして「いや、でもこれから行くところあるんだよなー」と頬をかいた。

 それをみた緑川くんは「行くところあるならいーじゃん、もう行こうよ」と口にしたが、その後に「行きたいなら音源確保しておくよ〜」と国近先輩が言う。しかし、出水先輩も唯我くんにいつも厳しく言っている手前、自分が行きたいからという理由だけではいけないようで、滅茶苦茶唯我くんをみた後に「いや、いい」と米屋先輩に言っていた。私なら迷わず行くけど、真面目な人だ。




「出水は この面子なら誘えば絶対来ると思ってたけど、普通に断られたなー。うける」
「先輩が来ないっていうから 敢えて言わなかったけど、名前ちゃん先輩の家って駅より本部に近いんだから、すぐ戻るって条件で来ればよかったよね。そしたら、よねやん先輩も直帰出来たのに」
「うわー、確かに。言ってくれれば、出水に苗字を送らせて 直帰出来たのに」
「いや、例えば そうなっていたとしても 約束したんだから そこは米屋先輩が送ってよ」
「おまえ、オレの事 大好きじゃん」
「だから先輩達の事は、もう結構好きだって前々から言ってるじゃん。何回もうざい」
「いやー、おまえマジで丸くなったよなー」
「昔は先輩達に死ぬ程興味なかったんで」
「うわ、ひでえ」
「凄い言われてるじゃん、うける」






















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Espoir