!HAPPY VALENTINE!
『ストロベリー』
チョコレートのストロベリー味はつまりただのイチゴ味なんじゃないのか?
そう思ったのはベッドの上で向かい合い、これ、と色味もあってひときわ可愛らしいパッケージを差し出した直後。ごくん、と息を飲んだ恋人に胸元をひん剥かれ、乳首に無遠慮にローションをぶち撒けられたときだった。
ほのかにピンク色のオモチャのような液体にお似合いの、いかにも『イチゴ』という甘い香り。チョコレートとは違う爽やかでみずみずしいはずのそれは、人工的に作られるとプラスチックめいて感じる。
「なんで乳首にかけんだよ」
「自分の乳首の色、知らないのか?」
知るわけあるか、と言いたかったけれど、たった今知ってしまった。でもまさかいくらなんでもこんなオモチャめいた色じゃないだろう。前にも乳首にイチゴ味のものを塗りたくられたけれど、それもそういう意味だったのか。
思えばよくピンクだなんだ言われている気もするが、言われるほど見る気が失せる。ただでさえいやらしいだのかわいいだの言われていじくりたおされ、かわいいはともかくいやらしい自覚は十二分にあるのだ。今だって裸に剥かれただけで期待に膨らんだ乳首のうずきがローションによってさらに高まって、触れられてもいない胎の奥がずくん、ずくん、とわなないている。
ちんこだって反応はしているが、それよりももっとずっと貪欲に、切なげにひくつく尻の奥が熱い。触れられているのは乳首で、ローションがかかっているのも乳首なのに、熱を帯びてうずくのが別の場所なんて。
「こんな、ピンクじゃねぇ、し……っ」
ローションを塗り込めるように両方の胸を揉みしだかれ、ぬちぬち、と音を立てて指の股で乳首を揺すられる。大きな手に包まれてよく見えないし覚えていないけれど、こんな色じゃないはずだ。
「ああ、そりゃ今はな」
「いまは……?」
「自分の身体のことくらい、ちゃんと把握しときな」
そう言うとぱ、と手を離される。ぬちゃ……と薄いピンク色の粘液が手と胸、乳首を繋ぎながらベッドに滴り落ちた。ぽたぽたと重たいシミができるのを眺めていると、そっちじゃない、と乳首を摘まれた。
「ひ、っう!」
「ほら、今は濃いピンクだろ」
ローション塗れでてらてらと光る乳首を摘み、見せつけるようにくりゅくりゅとしごかれる。硬くしこり勃起したそこは、たしかに濃い、ピンク色だけど。
「いつもはもう少し薄いピンクなんだよ」
色が白いから、と言外のからかいを匂わせ喉奥で笑う。自分だって興奮と欲情で顔が赤いし息だって上がっている。き、と睨もうとすると、ローションではない、汗で湿る指に乳首を引っ張られて、背が折れてしまった。
「こ、の……っ」
「せっかくのバレンタインに怖い顔をするなよ」
「だぁれが、させてン、だよっ!」
「やらしぃことがだぁいすきな、くうちゃんの乳首だなぁ?」
「ンな……わけ、にゃ、あぁぁぁぁぁっ!」
くちゅ、ぬちゅ、とちんこにするように根からさきっぽへとしごかれ、とちゅとちゅ、と小さなくぼみを爪先でほじられる。こりこり、ぷちゅぷちゅと塗り込まれたローションが吹き出すのが恥ずかしいのに気持ちいい。
「……自分から乳首突き出してるくせに」
「ふ、ぅ! ゃあ……っ、ゃ、やぁ……!」
まだ下は着たままなのに、乳首をしごかれるのに合わせて腰を振ってしまう。一度ちんこみたいにされている、と思ったら下着が濡れて、窮屈で、気持ち悪いのに止まらない。
「一生懸命腰振って、かぁわい……」
「か、ぁぃくなぃぃっ」
刺激に慣れないように爪を立てて側面をかりかりとかかれたり、つぽつぽと先端をピストンされる。とっくになにをされてもきもちいいとしか感じない乳首は、それこそオモチャのスタートボタンのようで、一押しすれば全身がびくびくと跳ね上がってしまう。
「おら、もう乳首でイキな」
「ひっ、やだぁ! ゃ、ぁ……ンぅッ!」
ぴん、と引っ張られた乳首に引きずられ、腰もぐん、と上を向かされた。下着を押し上げ、食い込むのが痛いのに、それ以上に決定的なトドメを与えられた悦びで、ぐちゃぐちゃの頭を置き去りに体が絶頂を迎える。
つままれたままの硬く尖った乳首はどくどくと脈を打っているようで落ち着かない。びゅくびゅくと飛び出した精液でびちょびちょの股間は見えないけれどきっとシミになっているはずだ。
「は、ぁ……」
「乳首でイクの上手になったなぁ?」
じぃ、とだらしないイキ顔と勃起したままの乳首、はしたない股間を舐め回すように見た後、いじわるな声でささやかれる。極めた余韻でふるえるしかできないのに、くん、と乳首を引かれ、しゃああ……と粗相をしてしまった。その独特の臭いでかえってローションの甘ったるい香りが部屋に充満していたことに気づかされる。
「――その調子で、俺もイカせてくれよ」
ひどいありさまの股間に、ごり、と熱く、硬く、大きな塊が擦りつけられた。自然と腰が引けたものの、乳首を掴まれているから逃げられない。
腹をくくり見上げた恋人の目は、ひどく獰猛な肉食獣の色をしていた。
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