※名前変換はございません。


1.(エドワード)
 エドと手を繋ぐとき、いつも彼は機械鎧ではない方の手を差し出してくる。その方が私の手のぬくもりが感じられるからだと、以前照れつつもぶっきらぼうに話してくれた。私も彼の体温が分かるから、その方が嬉しい。
 けれど、今日は。
「こっちの手と繋ぎたい。こっちだって、エドの手だから」
 ひんやりとした鋼のぬくもり。かしゃりと音を立てて、握り返してくれた。
「……あったけえな」
 それは優しい嘘? それとも本当? ううん、そんなことはどちらでも良い。
 どうかそのまま放さないでいて。せめて二人の間に等しい温度が生まれるまでは。
(20181020)




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