05
あいつが調査兵団に入団してから半月が経った。
最初は確かにただ出来る兵士だと思った。
だから自分の班に入れたいとエルヴィンに頼んだ。
けれどいつしか自然と目で追う、長い黒髪に漆黒の瞳。
容姿端麗だけでなく、強さも俺についてこれるくらいだ。
あいつなら俺より先に死ぬ事はないかもしれない。
ふと、そんな事を思った。
ただ、あいつには謎が多すぎる。
後から知ったが、何故訓練兵を首席卒業したにも関わらず調査兵団を選んだのか。
団長のエルヴィンすら知らない、その理由が気になる。
気になるなら本人に直接聞けば早い、そう結論づけた俺は直ぐ行動に移す。
ルイーサの部屋に行き、ノックもせず「入るぞ」たったそれだけ。
丁度部屋に居たルイーサは目を見開きこちらを見ている。
しかし途中で思い出したかの様に拳を胸に当てる。
「それは俺には要らねぇ」
「しかし上官ですし・・・」
「その上官が要らないと言っている」
「わかりました」
それで、ご用は何でしょうかと尋ねるお前に質問を投げかけた。
「何故、調査兵団を選んだ」
少し困った様な表情を浮かべながらも、理由を話し出した。
私には"夢"と言えるか分からないですが、知りたい事があります。
本当の自由とは何か?本当の幸せとは何か?
それが知りたくて壁外にも行ける調査兵団を選んだ、と。
「変ですよね、私って」
「いや、悪くねぇ話だ」
「巨人が怖いとか私にはわかりません。まだあった事すらないですし。例え初めての壁外調査で死ぬ事になっても悔いはないと思います」
こいつには知りたい事がある。その代償がでかいって事も分かっている。その覚悟がある。
ますます興味が沸いた。
そして壁外でこいつを守ろうと決めた。
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