after that



「ぐすっ、……これで、よかったんでしょうか」

シウンを見送ってすぐ、涙を拭いながらエクスクラがぽつりとつぶやいた。そんなエラの言葉に、一瞬ぽかん目を見開いたスマイルが突然大声で笑い出す。下品な笑い声を上げながらソファの肘掛けにどかりと座り、エクスクラを馬鹿にしたように見つめる。

「エラちんはお人好しすぎますなぁ〜!シウンちゃんさんのようなガキンチョ様お一人、どうなろうと知ったこっちゃないですのに〜〜!!」
「……スマイルさんのそういう所は嫌いです」
「心優しきエラちんに嫌われている〜〜〜!!??大大ショッック!!!」

眉をひそめるエクスクラに、スマイルは大げさに落ち込んだフリをし、後ろ向きにソファヘと倒れ込む。それを見て呆れたように笑ったBB-8は、エクスクラに向き直り、幼い子供を諭すような柔らかな口調で問いかけた。

「エラちゃんは、何がそんなに不満なのかしら」
「わざわざあんな危険なオークションに行かせる必要はあったんですか?」
「それはアタシのちょっとしたお遊びよ。簡単に潰れないよう鍛えても上げたでしょう」
「っ、意地の悪い……」
「あくタイプだもの、許してちょうだい」

意地悪く笑い、片目をつむる。エクスクラは呆れたようにため息をつき、眉間にしわを寄せ不満を表情に表す。そんな様子のエクスクラに、BB-8は傷のある顔に悪い笑みを称え、涙の跡が残るエクスクラの頬を撫でる。

「それに、あの子達を治療って目的で、ここに滞在させたのはエラちゃんのわがままよ?あんな傷、あなたなら簡単に治せたでしょうに。なら、少しくらいアタシも遊んだって良いでしょう?」
「性根が腐りきってるんですわ〜〜〜ああ恐ろしい、恐ろしいっ!あくタイプってだけじゃ言い訳のしようもないほどに腐りきってる!」
「おだまり!!」

後ろからかかった声に振り返り一喝すると、両手をひらひらと振ったスマイルが再びソファへ倒れ込む。

「人を使って遊びだなんて……」
「エラちゃん、あなたは本当に他人を思いやりすぎるのよ。それが良いところでもあるんだけどね。……でも結局、あなたのわがままも先延ばしにすぎないわ」
「っ!……、……」

BB-8の言葉に、勢いよく顔を上げ反論しようと口を開くが、何の言葉も出ないまま、エクスクラは小さな拳をぎゅっと握りしめる。

「分かってる。分かってるんです。でも、それでも、ぼくに出来ることなら助けてあげたい……もう、誰かが傷つくのは見たくないから……」
「誘われたのが自分だったらって?」
「!……いえ…いや、少しは」

少し意外そうに目を開くエクスクラだったが、少し考えるそぶりをし、そして困ったように微笑んだ。聞こえていた会話に落胆したのは事実だったから。

「ふふっ、ごめんなさいね誘われたのがアタシで」
「いいえ。ぼくの力はきっと、シウンさんには必要ない。必要ない方が良いんです……だから、」
「送り出したのならどんと構えてなさい。結局なるようにしかならないんだから。」
「その言い方はあまり好きじゃないです。けど、無事であるように祈っておきます。ぼくはシウンさんが元気に戻ってくるのを待ちたいので」

シウンが出て行った扉の向こうを見つめ、エクスクラは笑顔を浮かべる。

「いつボロボロになって帰ってくるか見物ですなぁ〜〜!」
「スマイルさんとは今から一週間お話しません」
「ええぇ〜〜〜〜!!!???なぜに!!?」
「お馬鹿ねえ……」



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