目に見える全てが本当ではない

私は名字名前。魚塚さんじゃあ無い。けれど例の組織ではウォッカと呼ばれている。あのサングラスに帽子のガタイのいいウォッカさんは見当たらない。何故、私がここに居るのかは単に潜入しているからだ。そして私の良く出来た部下と協力者が潜入中だ。
誰も、その二人が潜入中の部下と協力者だとは思っていない。我々の潜入捜査の中で、NOCは山程見つけたが、ある程度の実力が有る連中は見逃した。そうじゃ無い奴は、どうせ生き残れやしないだろうと、せめてもの情けとして端末などと共に殺すようにした。見逃した代わりに、別の本来の組織のメンバーを殺した事で釣り合いを取ってきた。
私のチームは原作を知っていると信じられないメンバーだ。私の部下である黒澤陣のコードネームはジン。協力者であるシャロン・ヴィンヤードはベルモット。二人には原作通りのキャラクターを演じて貰っている。
統計データ上、我々がコードネームを得てからは、小さな犯罪組織は順調に縮小、崩壊している。それを私の直属の上司は分かってくれていて、評価もしてくれている。そのおかげで昇進試験も受けることが出来て、私は警視正だ。
分かっていないのはもっと上の人間だと分かっている。私の後輩であるゼロの人間と、その部下が潜入捜査にあたる事になってしまった時は反対した。ゼロからの潜入捜査官は私だけでも異例だったはずなのに、下手したら死人を増やす結果になるのだから。
潜入する予定の後輩君と、その部下君のデータを陣とシャロンにも見せてから燃やした。当然だが優しくなんてして上げられなかった。無駄な足の引っ張り合いになるが、しばらくは仕方がないと三人で駆け回った。ネタばらしは最低限二人がコードネームを得てからだ、と。
私達は現状としては、この組織の幹部メンバーを少しずつ潜入捜査官や協力者に入れ換える事に成功している。
だからこそ、目標を同じくする者達の同士討ちは避けられる様に、巧妙にやって来ていたが、NOCの方が多くなって来た最近は、FBIやCIAアメリカSISイギリスCSISカナダなどの諜報機関との連携も徐々に広げる事に成功している為、この二人が潜るのは反対した。だからと言って、コードネームを得た後になって同士討ちで死なせる羽目になりそうだと言う状態が腹立たしい。私は小学生の頃にしか読んでも見ても無かったのだから知らなかったとは言え、其れは今更な言い訳に過ぎない。知らないけれど、今までもアレコレとやって来ているのだから。