「私、昔世話になった人が居るから会ってくる」
コーティングが終わるのは3日くらいだ。それぞれが行動に出る前に真っ先にそう言って船を飛び出した。驚く声が聞こえるが知らない。会いたいものは会いたい。
エースがシャボンディ諸島で食べ歩きをしている間、私は第2の父母と呼べる2人に会いに行っていた。
“ぼったくりバー”なんて店に入れば、そこには運良く目的の2人が揃っている。
「ただいま!レイさん、シャッキー!」
10歳から15歳までは、ここで暮らしていた。更に言えばレイリーは3歳の頃に数か月ではあるが同じ船の上で世話になっている。案外付き合いが長い。
「おお、ボタン!おかえり。元気そうでなによりだ」
「ふふ、おかえりなさい……また大きくなったわね」
きっと見聞色で分かっていただろうレイリーに抱きついて、シャクヤクにも飛びつく。ほんの数年ぶりだというのに既に懐かしい。何処に行っても、故郷には行けない現状、帰る家はここだった。
「ふふ、また無事に会えて嬉しい!今ね、海賊船に乗っているの」
手配書だって出ているから、レイリー達だって知っているだろう。それでも自分で伝えたかった。今が楽しいという事。
「あのルーキーか……どんな男だ?」
最初の方でコーティング職人としてのレイさんを訪ねてスカルが来たりもしたが大したことではない。