「ああ、名前ちゃん、ヘカテちゃん……オレとしては不本意なんだけどね。君に日本へ行ってもらう事になったんだよ……イザナミの要請でさ。これに詳細をまとめておいたから、読んどいて。オレは不本意なんだけどね。」
不本意だって二回も言ったぞ、ハデス様は本当は行かせたくないらしい。
「ああ、そうなんですね。私だって寂しいですけど、お仕事なら仕方ないわね。」
「本当、さっさと解決して帰って来てよ。」
受けとった資料によると、ここ数か月で一部の人間の周りで死者の数が尋常じゃない程に増えている為、私はその調査を行う事。そうして、私が現場に居合わせた時にまだ息が有れば、延命を行う事。息が無い場合は、死者の申し送りを送ったアイテムで行う事。となっていた。
そのアイテムと言うのが、見覚えのある物そのものだった。
iPh○neじゃね?これは……5だな。ソフトウェアも同じに見えるし、誤魔化しやすいかも。へえ、言うなら
まあ、あの神様って懐に入った奴には、ちょこっと甘いのよね。私を冥界に留めた時みたいに、ちょっと強引な所も有るけどさ。
調査先には、イザナミ様ーー人前ではナミさんって呼ぶ様に言われたが、通話での話だーーが準備してくれた住処と身分が有るのは助かった。一から準備してたら調査始めらんないでしょうし。
冥界や黄泉の匂いってのは私には良くわかる。住んでいる場所、帰る場所の匂いでもある。だから私にも当然染み付いているだろう。
死者と多く出会う人間にも其れの匂いが染み付いている事が有る。この地上に立つ者の中では私にしか分からない。私には馴染み深い、甘く暗い根の国の匂い。
けれど、この土地にはその匂いを纏わせた人間の多い事……驚いちゃうわ。
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例えば、そう……このポアロと言う喫茶店に居る、金髪で色黒の優男。コイツは死にも近いのだろうけどね、私より匂いがとても薄い。ない訳じゃないけど。
この街で過ごす内に、探偵に警察、所謂犯罪組織の奴、そう言うのは区別がついて来た。先の男は探偵だと言っていた。けれど警察に近いタイプ。その二階に事務所を構える毛利と言う男は、警察の匂いの方が強い。そして、そこに居候している子供は何処か歪さを感じるが、探偵ど真ん中。黒い髪に深い緑の目の女の子も其れに近い。
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最近、行く先々で見かける女が一人居る。殺人未遂事件の被害者を救護している事が一番多いが、被害者が死んでいる場合は、手を合わせてケータイを弄って、あとは見ているだけ。見ているだけでは有るが、トリックに使用された証拠物品を見つけるのが上手いのは確かだ。いつも彼女の目線の先には何らかの手掛かりが落ちている。
その事に気が付いているのは、僕だけじゃあ無い。