なんて事だ、仕事帰りに愛車に乗った瞬間にうっかり船を漕いでしまっていた私は、二次創作界隈では良く見る異世界トリップをしてしまったらしい。見知らぬ部屋でスヤアと寝ていたのである。病院で無い。そして神様だとか何だのってのは現れていない。なので自分自身で現状把握しなければならないのだが、どうやら小学生に戻っちゃったらしいのだ。
待ってくれ、私、高卒で社会人になって十年程経つんですよね。つまりアラサーなのですよ。もうすぐ三十歳。
其れなのに小学一年生やらなきゃいけないらしい。コナンくんもビックリな展開である。いや、赤ちゃんじゃないだけマシな展開かも知れない。家族以外の周りの人達が、ほとんど同じだったのは助かった。知らん人達も混ざってるし居ない人も居るっぽいけど、自分の事でいっぱいいっぱいだった為に気にする余裕は無かったのである。
だから、ようやく現状に馴染みつつあった頃、自分の家族が誰なのか把握して一人で絶句していた。
料理の腕が壊滅的だが頭が良いらしい、歳の離れた姉の名前は妃英理。分かる人には分かるな?そうだ、毛利小五郎の奥さんで毛利蘭の母親である。一回り離れている為、私が7歳なら、姉は19歳。もうすぐ結婚するらしい。相手は当然毛利小五郎だった。こりゃあ、姉より姪との方が歳が近くなるかな。
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そうだ、忘れていた。英理姉さんと小五郎さんが別居するのって、こんなに早かったのか。まだ蘭ちゃん6歳やぞ!この人らは……全くもう。
小五郎さんとも、遠慮するような仲では無い。意地を張り合うのも二人の性格上から分かるんだが、もうちょっと娘の事を考えてあげて欲しい。そう伝えられるのは現状で私くらいらしい。家事をしに毛利家に赴き、少しずつ伝えて行った。蘭ちゃんのメンタルケアにも気を配ってはいた。お母さんに会っても良いのだと、決して捨てられた訳じゃ無いと言外に伝わる様に。スゴく気ぃ使ってたお陰で毛利家は未だ別居中では有るが、少しはマシに思える。
そして、英理姉さんの友人である藤峰、いや既に工藤有希子となっている工藤新一の母とも姉の友人として面識は有る。当の工藤新一とも一応は知り合っている。そして、英理姉さんと小五郎さんの別居からこっち、若干の過干渉になり掛けていたが、私が面倒を見ていた分は干渉が減ってきていた。さすがに私も中学二年生である事とアラサー分の経験によって料理も家事も何とかなっている。後は何か護身術でも習いたいと姉に相談した結果、空手を習う事になった。そう言えばジークンドーのコンセプト派は武術経験者が更に学ぶ先におすすめだと、昔に何かで読んだな。いずれは視野に入れても良いだろう。
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「名前お姉ちゃん、あのね、新一に旅行に誘われたんだ。お姉ちゃんも一緒にどうですかって新一のお母さんも言っててね……私、行きたい!」