DCの世界に転生して絶望してたら、別作品の最推しに出会った。2

結局、その場で漢方やハーブの事で20分くらい話し込んでしまい、彼にキングスクロス駅に送りながら話そうと言われて、即座に頷いた。
話せるだけで嬉しくて、それが自分の詳しい分野なら尚、楽しかった。思っていたより沢山話してくれて、私も夢中になった。こう言う話を嫌がらずに、一緒にしてくれる人はこの世界で初めてだったから。
もう唯のそっくりさんでも関係ない。この世界には、あの小説は無いんだから、彼が丁度、私の好みのタイプだっただけなんだ。そう結論付けた。じゃ無いとこの人に失礼だと、そう思うくらいには出会ったばかりの彼が気に入っていた。
「ほら、ここだ。後は分かるだろう。」
だから、それだけ言って去って行こうとする彼を引き止めていた。
「ありがとう!あのね、貴方と沢山話せてすごく楽しかったから、お礼したいの!名前教えて下さい。私はナマエ・ミョウジ。日本から来たの。ナマエって呼んでくれると嬉しいわ。」
そう矢継ぎ早に言った私を、彼は驚いた様に見てから名乗ってくれた。
「……セブルス・スネイプ。好きに呼べば良い。日本から来たのだろうとは思っていた。こちらに住むのか?」
な、名前が同じだと!良し、セブルスと呼ばせてもらおう。そうして良いって捉えておこう。
「いいえ、でも私の通う学校が休みの度にこちらでフィールドワークしてるの。だから、また来る時にも会いたいな。」
「…そうか。では手紙を、しかし…。」
なんだろう?まさか本当に梟と羊皮紙に羽ペンとインクなんて事は、ないよね?だとしたら梟なんて海外に飛ばせないし。けど、魔法界の郵便局的な場所も有ったような……海外だと郵便代が高いのかも知れない。いや、ハリポタじゃないし、分からんけど。
「待ってくれ、住所を覚えていないんだ……。」
まさかの住所を覚えて無い!まあ、ちゃんとした住所書かなくても魔法界の梟さんは届けてくれるものね。余程じゃないと覚えて無いのも分かるわ。場合によっては、ホグワーツのように場所を秘匿する為に住所を漏らさないようにしている場合も有るだろうし。あ、ハリポタじゃ無いんだった。
「あら、そうなの?じゃあ、私の住所を教えておくわね。」
メモ帳を取り出して、住所を書いて破って渡した。ちゃんと受け取ってくれたのが、ただ嬉しい。
「まあ、エアメールって高いから、頻繁には送れないけれど、許してくれる?」
本当に1ポンドが120から150円のイメージでいたら、びっくりしたもの。今は1ポンド500円くらいのイメージでいた方が良い時代らしい。葉書一枚送るのに500円くらいするって思えば高いよね。日本からだと葉書なら100円そこらだって言うのに。こう言うのは総じて重さで値段が変わるから最低値は葉書になる。そんなものだ。
「そうなのか?まあ外国に送るなら高いんだろうな。」
「特に、イギリスから送る時って高いのよね。昨日、素敵なポストカード見掛けたから送ってみたら、日本から送る5倍もお金が掛かってびっくりしたのよ。」
「は?5倍?」
「為替レートによって変わるから一概に言えないけれど、その時はそうだったのよ。」
「そうか、なるほどな。」
何て話をしていたら、母が涙目で現れた。申し訳ないけど今回は特に離れた事は後悔しない。セブルスと離れるのが名残惜しくて、もうしばらく来なくて良かったのにと思ってしまう。私って悪い子だわ。
「そんな顔をしないでくれ。ちゃんと手紙は出すから。」
ちょっと困った様な表情でそう言われたら、きゅんってするやん。頷くに決まってるよ。
「私、待ってるからね、セブルス。」
「っ!ああ、またな、ナマエ。」
名前で呼んだらびっくりしてた。その表情もキュンキュンする。名残惜しいが、もう時間だ。
「うん、またね!」


セブルスと別れて、母と一緒に予定通りでは無いけれど、キングスクロス駅を少し見て(もうセブルスの事で頭が一杯だったから、駅を堪能するどころじゃあ無かった)、母とホテルへ向かった。
「珍しいわね。お友達なんて。でもお説教は無くならないわよ!」
そんなに嬉々として聞かないで欲しい。友達が少ないのは自覚しているんだ。そしてお説教は、一応聞くだけ聞きます。
「道に迷っちゃって、案内してくれたのよ。優しい人だったわ。」
本当に優しい人だったと思う。こんな初めて会った人間を1時間もかけて道案内して、話し相手になってくれた。
「そう、良かったわね。」

ホテルでお説教を聞いた後、色々考えた。今は1981年で私は8歳の小学3年生。ハリポタなら、ハリー・ポッターくんが生まれてる。生後7か月くらいだろう。其れなのに今日会ったセブルス・スネイプと名乗った彼は、未だ学生だろう外見だった。良く分からない。世界が混ざっているのか人が混ざっているのかは不明だし、生まれる時代だかがズレているのかも知れない。なんだか深く考えない方が良さそうだ。

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2020/05/11